「日本は性犯罪大国」とのレッテル貼りに熱心な活動家こそ、実際の数値を確認しろ!

 人権派を自称する活動家はある種の “劇薬” と言えるでしょう。そういった人物の活動に対し、国際組織が名義貸しをするだけで大きな影響が生じます。

 実例の1つとして国連女子差別撤廃委員会が審議したという内容を取り上げることができます。

画像:国連女子差別撤廃委員会による呼びかけ

 

 審議項目が列挙されているのですが、トップ項目が「性的暴力を描写したビデオや漫画の販売の禁止」とピントがズレています。

 また、次の3点については現在の日本人女性が直面している課題とは言い難いものです。

  • 「慰安婦」問題
  • 障がいを持つ女性の意志に反する不妊手術に対する賠償
  • 福島事故後の被災地における女性への医療・保険サービス

 はっきり言って、『女性の人権』として取り上げるべきテーマが日本にはなかったのでしょう。サヨク活動家のメシの種にしかなりそうにないテーマをピックアップし、それをカムフラージュするために経済問題を女性の人権問題として取り上げている始末です。

 

 年金の男女格差についても、「定年まで働き続けた男性」と「一貫して専業主婦だった女性」との間に差が生まれて当然です。

 共産主義であれば、全員が同額支給されることが保証されています。しかし、日本は資本主義経済なのですから、勤労期間に収めた税金額に応じて年金受給額が異なることは自然なことでしょう。

 面倒ごとは他人に押しつけ、報酬だけはキープしようとする姿勢は “フリーライダー” そのものであり、その態度は真面目に働く世間一般から最も忌み嫌われるものの1つであることを人権活動家は学ばなければなりません。

 

 例えば、国際人権 NGO ヒューマンライツ・ナウで活動する伊藤和子弁護士は以下のようなツイートをしていますが、実態からは大きく逸れていると言えるでしょう。

画像:伊藤和子弁護士のツイート

 なぜなら、彼女の団体が目指す “理想郷” である欧米諸国の方が女性の人権が損なわれていることが数字の上でも明らかになっているからです。

 その数値を提示しておくことにしましょう。

 

 国際連合には国連薬物犯罪事務所(United Nations Office on Drugs and Crime, UNODC)という組織があり、犯罪に関する国別の統計データを公表しています。

 その項目の中には『性暴力』というカテゴリが存在し、さらに性暴力全体(Total Sexual Violence)、レイプ(Rape)、子供に対する性強要(Sexual Offences Against Children)の3つに細分化されています。

 では、それぞれの項目について、人権活動家の皆様が声高に叫ぶ日本の数値と欧米主要国の数値を比較することにしましょう。

 

主要国における人口10万人当たりの性犯罪件数【2013年】
注)* は2012年の数値
国名 全体 レイプ 子供への強要
日本 7.1 1.1 22.4
アメリカ
カナダ

75.6
24.9
1.4*

60.3
スウェーデン 190.0 58.9 420.4
イギリス
(イングランド)
99.3 36.4 199.0
フランス 43.2 17.4 118.0
ドイツ 56.6 9.0 93.6
オランダ 51.3 7.9 27.8
スイス 89.6 7.1 91.2
オーストラリア
ニュージーランド
85.3
76.0*

29.6*

172.4*

 日本の数値だけを見れば、『子供に対する性の強要』に対する値が高いため、人権活動家の主張が正しいように見えます。

 しかし、活動家たちが手本とする主要国の数値と比較すると、まったく別の側面が浮かび上がります。

 おそらく、人権派を名乗る人々が「日本は見習うべき」と声高に叫んだ際に見習うべき国として取り上げられるのは上表の10カ国の中にかなりの確率で入っていることでしょう。

 ですが、いずれの国も日本より女性が性犯罪に巻き込まれる可能性が低いことを示すデータはないのです。

 

 人権活動家にとって、これほど皮肉なデータはないでしょう。

 なぜなら、彼らや彼女らが見習えという国のやり方を見習うと治安が悪化し、女性の人権が損なわれていることが国連のデータで明らかになっているからです。

 この状況で、「欧米諸国のやり方を参考にするべきだ」との訴えを受け入れる理由はありません。まずは欧米諸国が自国内での性犯罪比率を日本並みに下げてからでないと、彼らの主張が受け入れられることはないでしょう。

 にも関わらず、日本を性犯罪大国だとデマを宣伝し続ける活動家が後を絶ちません。

 

 本来であれば、人権活動家は日本よりも女性への人権侵害が深刻な欧米諸国などで活動をしているはずです。ところが、なぜか日本にばかり固執している有様です。

 その理由の1つは『日本が活動家たちが思い描く理想郷に最も近いから』だと言えるでしょう。

 活動家たちはポルノのない世界を作りたいのです。そうなれば、女性の人権が損なわれることもなく、性犯罪の被害にも巻き込まれないと信じているからです。

 もっと、直接的な言い方をすれば、性産業そのものを潰し、持って生まれた容姿で給与を得ている(モデルのような職業をしている)女性を否定したいという欲望を持っていることでしょう。

 日本は性犯罪を含めた犯罪発生件数が世界でも屈指の低さであり、そこからポルノを除外すれば、人権活動家たちの “理想郷” が完成するというシナリオです。

 

 欧米諸国でその動きをやろうとすれば、「性産業従事者の人権侵害だ」として袋叩きに合うでしょう。オランダやドイツは売春/買春は合法ですし、アメリカでは毎年 AVN アワードという表彰式が30年近く続いています。

 ですが、日本を相手にすれば「野蛮なアジア人を優れたキリスト教徒が正しい価値観を与えている」という白人優越主義が勝り、欧米諸国内からバッシングされることはありません。

 欧米諸国にとっては「自分たちの都合の悪いことを隠す格好のスケープゴート」であり、日本で相手にされないフェミニストたちにとっては「自分たちの価値観を受け入れてくれる理解ある人々」という自分勝手な活動家たちの利害一致が根底にはあるのです。

 少なくとも、今回の国連女子差別撤廃委員会が取り上げた活動を称賛する人権団体は偽物と断定して良いでしょう。なぜなら、称賛するよりも先に批判しなければならないことがデータからも明らかだからです。

 偽物に対しては厳しく接する姿勢を忘れてはならないと言えるでしょう。