NHK、韓国観光公社の「日本人観光客、3年半ぶりに増加」を鵜呑みにし、恥を晒す

 NHK は「先月韓国を訪れた日本人観光客は3年半ぶりに前の年を上回った」と報じています。

 残念ですが、この発表内容をそのまま信じると “数字のトリック” に騙されることになります。実際にどのようなことが起きているのかを説明することにしましょう。

 

 韓国観光公社によりますと、先月、韓国を訪れた日本人観光客は14万4493人で、去年の同じ月より1.3%増えました。日本人観光客の数は2012年9月から前の年の同じ月を下回る状態が続き、増加したのは3年半ぶりです。

 

 韓国観光公社からの発表内容は事実でしょう。ですが、今年2016年2月はうるう年であり、1日多いことを忘れてはなりません。

表1:訪韓した日本人観光客数の比較
 2月の日数観光客数
2015年 28日 142,587人
5092.4人/日
2016年 29日 (+3.57%) 144,493人 (+1.3%)
4982.5人/日 (-2.2%)

 28日が29日に増えることは、前年と比べて +3.5% であって始めてイーブンとなります。しかし、訪韓した日本人観光客の数は +1.3% なのですから、実質的にマイナスなのです。

 

 それは1日平均の日本人観光客数を求めると如実に現れます。2015年は1日平均5092人だったのが、2016年には同4982人にまで落ち込み、前年比 -2.2% というマイナスになっています。

 韓国観光公社は「11月の日韓首脳会談や年末の慰安婦問題に関する合意によって両国の政治面での関係が改善されたことが、日本からの観光客増加につながったのではないか」と話しているそうですが、うるう年による増加分を見落としていただけと言わなければなりません。

 発表内容を何の疑いもなく、プロパガンダのように宣伝し続ける NHK も報道姿勢を見直す必要があると言えるのではないでしょうか。