子どもの声による騒音問題で資産価値減少を懸念する地域住民には何も言えない偽善者たち
千葉県市川市で開設予定だった保育園が周辺住民から反対が起きたため、開設が中止に追い込まれたことがニュースとなっています。
反対理由は複数存在して当然なのですが、古谷経衡氏は自身のツイッターで「運営側に話を聞いたところ、当初の報道通り、騒音問題が原因だった」投稿しています。ですが、“保育園落ちた、日本死ね” と主張しているグループにとっては逆風となるでしょう。
市川市の保育園中止の件、今度は運営側の社会福祉法人の責任者に電話した。すると「道路問題よりも、60代くらいの高齢者の住民らが、うるさい施設(保育園)ができると土地の価値が下がる、との抗議が主流」(役員談)だった。最初の報道内容でほぼ正しい。ネットの関係者談を鵜呑みにしてはならん。
— 古谷経衡@ヒトラーはなぜ猫が嫌いだったか (@aniotahosyu) 2016年4月13日
「うるさい施設ができたことで土地の価格が下がる」という主張は保育園を開設する際の大きな足枷となるからです。土地の価格という点でのメリット・デメリットを整理すると下図のようになります。
保育園ができると、子育て世帯が流入しますので街全体として地価は上昇します。これは生活したいという家庭が増えるため、それに連動して地価(=土地資産)が上がることを意味します。
しかし、保育園に近いエリアでは『子どもの声による騒音問題』と『児童の送迎による交通状況の悪化』という2つの問題が抱えることになります。つまり、保育園に近いほど土地の買い手がつきにくく、地価が下落するリスクを抱えることになるのです。
古谷氏は「保育園開設予定地の周辺に住む住民は資産価値が減少することぐらい容認しろ」と主張したいのでしょうか。
土地や住居という資産を持つ人々が自らの資産価値を減少されるリスクの元凶を取り除こうとすることは当たり前です。「彼らには財産権は認めない」と考えているなら、それは中国共産党と同じです。民主主義に基づくやり方ではありません。
そのような懸念のある中で、騒音の発生源である子どもの声は規制対象外にせよと主張する人々がいるのです。明らかに偽善者と言えるでしょう。
“子どもの声” であっても、音であり、音量・時間・音質によっては騒音となります。ゲームセンターのように1箇所に多くのゲーム機を集めれば大きな音を生じさせていることと同じです。
「ドイツでは子どもの声は騒音ではない」と日本国内の周辺環境を無視したロジックでは揉める原因になるだけです。
保育園に通っている子どもやその活動で生じた騒音は訴訟対象外とする形がそのまま取り入れられることはないでしょう。なぜなら、保育園側は何の努力もしていないからです。
ピアノや歌など屋内で出す音については保育園施設の防音対策である程度は制限できます。屋外の運動場で遊ぶこともあるのですから、周辺住宅への防音対策費および防音空調機設置費の捻出提案は保育園側が行うべき最低限のことです。
こういった提案すらせず、一方的に反対する住民は頭が硬いなどの主張する限り、両者が歩み寄ることは絶対にないでしょう。
「昔はこんな反対運動は活発ではなかった」と嘆く経営者もいるでしょう。地元に長年貢献してきた名士が保育園設立を後押しした時代と、地元への貢献度のほとんどない保育園運営者が設立しようとしている現代を比較していはいけません。
また、古谷氏の主張もネット上のものですから鵜呑みにすることはリスクがあると頭の片隅に置いておくべきです。
反対住民が「土地の価格が下がる」と主張することは保育園関係者サイドからみればエゴになるでしょう。ですが、何の保証提案もせず、自分たちの主張を押し通そうとする保育園側の姿勢もエゴにまみれたものです。
「前に進まなきゃ」などとキレイゴトを述べるだけの加藤浩次氏は自身が MC を務める『スッキリ』に保育園児30名ほどを毎回スタジオに招くべきです。その上で番組が何の滞りもなく進行できるのであれば、反対派も加藤氏の発言に耳を傾けるでしょう。
無責任な人ほど、この問題に現実離れした主張を繰り広げているのではないでしょうか。