ドナルド・トランプ、共和党候補選に事実上勝利 大統領選はヒラリー対トランプの流れに

 ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領選に向けた共和党の候補者として指名されることが事実上確定したと NHK が伝えています。

画像:共和党の事実候補となったトランプ氏

 3日にインディアナ州で行われた予備選の結果を受け、対立候補だったテッド・クルーズ氏が選挙戦から撤退を表明したことが理由と見られています。

 

画像:共和党候補の獲得代議員数

 トランプ氏はインディアナ州までの予備選で獲得した代議員数は 1,007 となりました。過半数の 1,237 までは残り 230 人となっています。

 残る州の予備選で獲得できる最大代議員数は 445。トランプ氏の他に予備選を戦っているのはジョン・ケーシック氏(獲得代議員数:153)だけですので、過半数を超える代議員数を確保するのは時間の問題と言えるでしょう。

 

 仮にトランプ氏が代議員の過半数を獲得できなくとも、共和党の候補に指名されることになると思われます。

 その理由はケーシック氏による代議員の最大獲得数は現在2位のクルーズ氏(獲得代議員数:546)を上回ることが難しそうだからです。比例配分、ニュージャージー、カリフォルニアとケーシック氏が大勝ちできない州が残っていることが理由です。

 予備選1位の候補が集めた獲得代議員数の半分も集められなかった候補を “党の指名候補” とする正当な理由を述べることができるでしょうか。ケーシック氏を推すほど「民主主義の精神を忘れたエスタブリッシュ層」という批判が有権者に起きることとなり、共和党は苦境に立たされることになります。

 

 トランプ氏は過激な言動ばかりがメディアでクローズアップされていますが、具体的な政策は何も発表されていないことが実情です。

 議会議員からの支援が乏しいこともあり、今後は現実的な政策や実行案を提示できるかがポイントになります。議員が協力できる内容であれば、共和党内を固めることは十分に可能と思われます。

 対する民主党でも大本命と目されていたヒラリー・クリントン氏がサンダース氏に大苦戦する展開が続いています。そのため、エスタブリッシュ層の立ち位置を消し、左旋回することを余儀なくされることになるでしょう。

 仮にヒラリー陣形がサンダース陣営の主張を選挙公約としてあまり汲み取らないのであれば、サンダース氏の無所属での出馬も考えられるだけに、“強くなりすぎた” 党内のエスタブリッシュ層の発言力をどれだけ除外することができるかがポイントになると目されます。

 オバマ政権のマズい外交政策に関与したヒラリーがトップになることを好ましく思わない有権者も一定数はいると考えられるため、一騎打ち・三つ巴に関係なく接戦になるのではないでしょうか。