「憲法を守れ」と叫ぶ護憲派は “机上の空論” に終始している

 石川健治東京大学法学部教授が述べた主張が “憲法9条原理主義者” しか行わないような内容であったことがネット上で話題となっています。

画像:伊吹文明議員(自民党)と議論を交わした憲法学者

 「9条や反原発といった分野は高度な文明論となるので意見を述べる意図はない。ただ、法があるならそれに従い、できる範囲で政策を行うべきだ」という内容を5月4日に放送されたプライムニュース(BSフジ)でも主張したところ、自民党の伊吹文明氏から次のように反論され、言葉を失う有様でした。

 


 石川先生は学者としては非常に筋の通ったご意見だと思います。

 しかし、現実にね、預かって国民の生命と財産を担保しなければいけない政治という立場の人間からするとね、3分の2は今現実にはないわけでしょ。

 その9条を変えようと、特に憲法改正という漠然としたことだけでなく9条ということになると、もっと3分の2は難しいと思いますよ。

 ということになると、発議ができませんね。その間に今、おっしゃったことが現実に起こった場合にどうすんだという責任は政治にあるですよ。

 研究室にはないんです、それはね。それはさっきちょっと言葉足らずだったと思いますけど、高村さんが「政治家が決めるんだ」と言ったことはそういうことだと思いますよ。


 

 伊吹議員が指摘した “おっしゃったこと” の意味は石川健治氏とともに番組に出演した小林節氏が事前に述べていた「(ロシアの南下などによって)国民の生命や財産が危機にさらされた場合」と言えるでしょう。

 危機にさらされるリスクに対し、「高度な文明論だ」と主張する石川氏のような憲法学者は机上の空論を述べるだけの存在に過ぎません。

 憲法などは国民に守る意志がなければ、単なる文字列なのです。また、武力を背景に日本を制圧した勢力が現れれば、その時点で効果を失ってしまう程度のものなのです。

 憲法学者は「私達が憲法改正から守ってきたことが、日本に平和をもたらし続けていたのだ」とでも思っているのでしょうか。もしそうだとすれば、実務を行っている自衛隊の手柄を自分たちが横取りしているだけに過ぎません。

 

 政治家は結果責任を否が応でも問われることになります。伊吹議員が番組内で主張したことはド正論というべき内容であり、実務を知っている人物と研究室の中で “学説” を考えているだけの人物との大きな差と言えるでしょう。

 「憲法を守れ」とだけ主張する憲法学者が定年まで安定した職に就くことができている理由を憲法学者自身が考えてみる必要がありますが、おそらく彼らにはできないことでしょう。

 『憲法』と『国民の生活』のどちらに優先順位を置くかは世間一般に問いかける必要もない愚問です。憲法の条文を守るために自らの生活水準を差し出す国民はいないと思われます。「憲法は豊かな国民生活を送るためにツールの1つに過ぎない」という現実を憲法学者は実感する必要があるのではないでしょうか。