BBCウィングフィールド=ヘイズが北朝鮮から国外追放処分を受ける

 朝鮮労働党の党大会取材のため北朝鮮入りしていたBBCの記者ら3名が北朝鮮当局から国外追放処分されたことがニュースとなっています。

画像:レポートするルーパート・ウィングフィールド=ヘイズ

 追放されたルーパート・ウィングフィールド=ヘイズという記者は東京特派員として慰安婦問題を “性奴隷” と2015年に書くような民族差別を平然と行うような人物です。

 おそらく、(処罰される恐れのない)日本での取材活動と同じ感覚で、北朝鮮を刺激するレポートをしたことが直接の原因と言えるでしょう。

 

 CNN は追放された理由は「不敬な記事を掲載したから」と伝えていますが、該当してそうな記事が複数存在するため、どの内容が決定打となったのかを絞り込みづらい状況です。

 例えば、「偉大な指導者キム・ジョンイルが亡くなり、肥満体で何をしでかすか分からない息子のキム・ジョンウンが就いた」などとの危ない記事を書いていますし、イギリス・ガーディアン紙は東京特派員が病院でのレポート内容が原因と伝えています。

 おそらく、ガーディアン紙が報じた病院でのレポートが原因である可能性が高いでしょう。その理由は5月1日放送の BBC News at TEN で流れたからです。現時点で該当映像はオリジナル版日本語翻訳版ともに確認が可能です。

 ちなみに、次のようなレポートでした。

 


 キム王朝から逃れることはできません。

 ピョンヤンの小児病院でも同じです。私が同行したノーベル賞受賞者たちはこのCTスキャナはキム自身の指示であると聞かされました。

 でも、ここの子供たちは実に健康そうに見えます。そして本物の医者はどこにも見当たりません。

 「医者ではないと思います」

 リヒテンシュタインのアルフレート侯子でさえ、疑い始めています。

 この国を何とか理解しようとしても、ご覧のように大変です。連れて来られたここはとても現代的で清潔で、新しい設備が整っています。でも、普通の人に話しかけるのは許されていません。

 この人たちに質問しようとすると、きっと逃げてしまいます。何もかもが仕組まれているように見えます。


 

 ウィングフィールド=ヘイズ氏によるレポートには “ツッコミどころ” があります。

 まず、メディアが自由に取材できる病院など存在しないでしょう。立ち入り禁止や取材制限がかかって当然ですし、ロイヤルファミリーの出産情報を漏らした看護師が自殺する事件がイギリスであったことを忘れたのでしょうか。

 また、“本物の医者” であれば、普通は患者の治療に当たっています。外国メディアの取材に応じるような余裕を常に持っておく必要はどこにもありません。

 左翼の仕組まれた話を真に受けるような残念な知性しか持たないにもかかわらず、「何もかもが仕組まれているように見える」と述べるのは精一杯の皮肉にしか聞こえません。予定稿を読むだけであれば、誰でもできるレベルの仕事内容です。

 

 東京特派員の肩書きを持っているのであれば、朝鮮総連という格好の取材対象が存在します。彼らは(ピョンヤン市民のように)逃げるようなことはないと思われますから、取材すべきでしょう。もっとも、ウィングフィールド=ヘイズ氏にその度胸があればの話ですが。