民進党・山尾志桜里政調会長こそ、男尊女卑を広める元凶だ

 5月16日に行われた衆院予算委員会で山尾志桜里政調会長(民進党)が審議日程の不安を安倍首相に述べたところ、「議会運営を少し勉強して欲しい」とやり返される一幕がありました。

 これに対し、山尾議員は「女性活躍政権ではなく、男尊女卑政権だ」と安倍政権を批判したのですが、自身の発言こそが “男尊女卑” を推し進める要因となっていることに気づいていないことが致命的です。これほど女性の評判を陥れる女性議員の存在は異質だと言えるでしょう。

 

 この件の発端は「山尾議員が国会での審議される法案のスケジュールに不満を述べたこと」です。

 民進党(特に山尾議員)は自身が深く関わってきた『保育士の処遇改善問題』に関する議員立法について審議させたいという希望を持っています。しかし、国会での議論はTPPなどの議案が優先的に審議されている現実があり、安倍首相が主導して審議の順番を変えるべきだと要求しているのです。

 民進党としては「安倍政権は待機児童問題から逃げ続けている」という印象を世間に与えたいのでしょうが、審議の順番を決める権限は首相にはありません。ですから、安倍首相は「議会運営を勉強して欲しい」と答弁したのです。

 

 では、衆議院で行われる審議日程を決める権限を持っているのは誰かと言いますと、『議会運営委員会』が決定することなのです。

 

 『議会運営委員会』は国会法第41条で定められた常任委員会です。また、同法第47条には「常任委員会及び特別委員会は、会期中に限り、付託された案件を審査する」と定義されています。

 そして、衆議院規則によって明記されている『議会運営委員会』に所管されている内容には「議院の運営に関する事項」(第92条16-1)があるのです。

 つまり、本会議の日程や議題、発言者(質問者)、討論時間など議会運営を決める権限を有しているのです。国会で決めることは国会に設置される委員会が決定権を持っており、内閣が介入できない事案なのです。

 “立憲主義” を掲げる民進党の現役政調会長が “行政の長” である安倍首相に対し、「(立法権を持つ国会の委員会に干渉し、)審議日程を変更させろ」と主張していることは致命的です。彼らが日頃から訴えている『三権分立』とは何なのでしょうか。

 もし、首相が介入できないことが不満なのであれば、民進党が「国会法の改正案」を議会に提出すれば済む話なのです。

 

 審議日程に対する決定権を持たない相手に言いがかりを付け、自らの認識不足を指摘されると、「男尊女卑政権だ!」などと的外れな主張をする女性の姿に誰が共感を覚えるでしょうか。苦言を呈されると、「差別だ!セクハラだ!」などと喚き散らす女性を抜擢したいとは思いません。

 むしろ、「女性に認識不足な点を指摘したり、苦言を呈するだけで、こんな面倒なことが起きるのか」と敬遠する動きが強まることでしょう。

 今回の論戦で山尾志桜里議員が女性の地位を不必要に貶めたことは否定できません。“女卑” の部分を世間一般に向けて幅広く発信した悪影響は決して小さくはないのです。

 「うちにも山尾議員のような女性社員いるから、安倍首相には同情するよ」と思う社員や、「色眼鏡で見られる原因になる」と憤る女性社員は数多く存在することでしょう。自らの振る舞いが世間からは嫌われる行為であることを認識できない限り、民進党への支持が増えることは見込めないことを認識しなければならないと言えるでしょう。