USJ、2015年の入場者数で東京ディズニーシーを抜き、世界4位にランクアップ

 2015年のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)への入場観客数が東京ディズニーシーを抜き、世界4位になったことがアメリカ・テーマエンターテインメント協会の調べで明らかとなりました。

 「ハリー・ポッター」、「妖怪ウォッチ」、「進撃の巨人」といったテーマが好評で、来場者数が増えたことが要因と言えるでしょう。USJの他にランキング上位に入ったテーマパークは以下のような施設でした。

 

表1:アミューズメントパーク来場者数(2015年)
 施設名来場者数前年比
1 マジックキングダム
(ディズニー・ワールド)
2049万2千人 +6.0%
2 ディズニーランド
(カリフォルニア州アナハイム)
1827万8千人 +9.0%
3 東京ディズニーランド 1660万人 -4.0%
4 USJ 1390万人 +17.8%
5 東京ディズニーシー 1360万人 -3.5%
13 珠海長隆海洋王国 748万6千人 +36.0%
20 ナガシマスパーランド
(三重県桑名市)
587万人 +4.3%

 

 集客力で言えば、アメリカ・フロリダ州にあるディズニーワールドが圧倒的です。

 トップ5にはマジック・キングダムが入っただけでしたが、トップ10にまで対象を広げると、6位エプコット、7位アニマルキングダム、8位ハリウッドスタジオと名を連ね、いずれの施設も1000万人を超える来場者数を記録しているからです。

 フロリダ州オーランドにあるユニバーサル・スタジオは958万5千人の来場者数で10位。そのため、USJが1番の収益源になっていることが読み取れます。

 

 USJといえば、少し前に沖縄進出を撤回することが白紙となったことがニュースとなりました。「大阪では敷地拡張が難しく、成長を続けるには沖縄進出」という論調がありましたが、これは誤りと言えるでしょう。

 日常的に入場制限が設けられるのであれば、拡張路線を選択するメリットは存在します。しかし、人気イベントが行われる土日など規制が行われる時期が予想できる状況ですから、拡張するメリットは少ないと思われます。

 同じテーマの施設を国内2箇所で運営する必要はありません。ライバルのディズニーを見ても、ディズニーランドとディズニーシーとテーマの異なる2つの施設で互いに競わせるような形を採っているからです。

 では、「(東京や大阪までよりも高額となる)沖縄への交通費を上乗せしてまでも行きたい」と思えるコンテンツをユニバーサル・スタジオやディズニーは持っているでしょうか。仮に持っていたとしても、「そのコンテンツを都市部で集客力しやすい東京や大阪で使わず、沖縄に持っていく理由は何か?」と説明できなければ意味がありません

 “模様替え” と同じように、一定期間を経た後に来場客が喜ぶように施設をリニューアルし続けることがテーマパークには不可欠なのです。そして、そのために必要となる資金の元手は売上金であることは言うまでもありません。

 

 採算に疑問符が残る地域に勇んで進出する企業を見つける方が難しいことです。

 沖縄県は「観光業が主力産業」と主張していますが、目玉である『美ら海水族館』の入場者数はおよそ450万人。世界最大の水族館としてギネスに登録された中国・珠海にある長隆海洋王国の入場者数は約750万人と、この1年で大きく引き離される結果となりました。

 また、2016年夏には上海にディズニーランドがオープンする予定であり、沖縄にディズニーを誘致することは集客面で難しさを増したと言えるでしょう。

 集客数は2000万人ほどで頭打ちになるのですから、そのラインが近くにつれ、顧客満足度と客単価を上げるような形の経営にシフトしていくことが求められます。その際、「従来のコストパフォーマンスで楽しめる施設も新たに建設して残しておくべきだ」という論調が出てこない限り、拡張路線となるような経営判断をすることはないと思われます。

 

 「庶民から遠くなりすぎている」と一部ではチケット代の値上げに反発する声もありますが、エンターテイメント施設であり、娯楽費の支出をケチるようなクレーマー予備軍は無理に来場していただく必要はありませんと切り捨てられることでしょう。

 値段を上げても、きちんと集客できていることはビジネスとして正しい姿です。「上手く値段を上げるにはどうすれば良いか」という点に対して、ディズニーやUSJから学べることは多くありそうです。