トルコ議会は「ホロコーストはドイツ人が引き起こした人類史上類を見ない虐殺行為」と決議せよ

 ドイツ議会がおよそ100年前に発生したと言われている “アルメニア人 大量虐殺” を決議したため、トルコとの関係が悪化し、難民問題に悪影響が生じるのではないかとの懸念が広がっているとＮＨＫが伝えています。

 トルコ政府は大使を召還するなど、早くも反発する行動に出ていますが、決議には決議で報復すべきことと言えるでしょう。

 発端は「第一次世界大戦中の1915年にオスマン帝国（トルコ系）がおよそ150万人のアルメニア人（キリスト教徒）を殺害した」とされる件です。この件について、ドイツ議会はアルメニアのロビー勢力の主張に沿う形で “大量虐殺” であると決議しました。

 トルコ議会は「ドイツ議会の決議は根拠のない不条理なもの」と非難する声明を緊急に発表していますが、ドイツに対する批判決議を採択することが望ましいと言えるでしょう。

 批判の対象はドイツ人がすべての責任をナチスに押し付けたホロコーストについてです。決議案についても、ドイツ議会がアルメニア虐殺を認定したロジックをベースに少しだけ文脈を変えれば済むことです。

 「当時のナチス・ドイツ政府の指示により、1000万人を超えるユダヤ人の計画的殺害が始まった」とし、「20世紀はおろか、人類史上類を見ないおぞましい形による民族浄化や虐殺の１つだ」と認定すれば良いのです。

 また、「ドイツ人にはこの出来事を引き起こしたナチス・ドイツを “民主主義” に基づく選挙で生み出した責任がある」と糾弾する根拠を作り、報復に打って出るべき事案です。

 また、シリア難民という “兵器” に該当する発射ボタンを握っているのはトルコなのですから、「求められた水準で履行するには、ＥＵからの対応資金が不足している」などと理由を付けることで、ヨーロッパ諸国を揺さぶるカードになります。

 「移動の自由」が存在する民主主義国家において、ヨーロッパに行きたいと希望する人々を強制的に留めるような真似はできない。

 トルコ当局には上記のように発言し、ヨーロッパに流入する難民の取り締まりのペースを落とすことができるのです。そうなると、手詰まりになるのはヨーロッパ諸国でしょう。

 なぜなら、トルコを批判するほど、難民がトルコを脱出する動機が強まることになるからです。そして、より良い生活を送ることが期待できるであろうヨーロッパに向かうことにも繋がるのです。「この汚れ仕事を引き受けるのは割に合わない」という機運がトルコ国内で高まると、地獄を見ることになるのはドイツを始めとするヨーロッパであることを認識すべきと言えるのではないでしょうか。