鳩山元首相がAIIBの顧問に就任した程度では日米を揺さぶることは難しい

 朝日新聞によりますと、鳩山由紀夫元首相がAIIB(アジアインフラ投資銀行)の顧問に就任する打診を受けたとのことです。

 日本への揺さぶりが狙いと記事では報じられていますが、この程度では足りないと言えるでしょう。

 

 鳩山由紀夫元首相が26日、訪問先の中国・北京で記者会見し、中国が設立を主導したアジアインフラ投資銀行(AIIB)の金立群総裁から、顧問にあたる「国際諮問委員会」の委員就任への打診があったことを明らかにした。中国側には、首相経験者をAIIBに関与させることで、米国とともに参加を見送った日本を揺さぶる狙いがあるとみられる。

 

 元首相の肩書きを持つ人物を引き抜けば、それなりの影響力が見込めると判断するのは当然です。しかし、最近はその傾向が薄れてきている状況にあります。

 例えば、小泉元首相や細川元首相は「反原発運動」に傾倒していますが、世論は冷めた目で見ています。鳩山元首相や菅元首相からも同じ兆候が見て取ることができると言えるでしょう。

 

 鳩山由紀夫氏が関わった組織や、そこに携わっていた人たちはメチャクチャになることを多くの日本人は民主党政権で痛感させられました。おそらく、AIIBが轍を踏むことになると予想している人は多いと思われます。

 完全に “お飾り” とするのであれば、損害を被ることはないでしょう。もし、何らかの決定権や発言権を与えることになると、一瞬にしてトラブルメーカーに化けるリスクがあることを念頭に置いておく必要があります。

 鳩山氏の経済センスを高く評価するリベラル派もいるようですから、どうせなら鳩山氏をAIIBの名誉総裁に推薦してみてはいかがでしょうか。その上で、元経産省の古賀茂明氏や浜矩子・同志社大学大学院教授を顧問としてAIIBに招き、辣腕を振るって貰えば良いのです。

 彼らは日本の経済政策が間違っていると主張しているのですから、AIIBでそのことを証明する機会が与えられることになれば、喜んでオファーに応じてくれるはずです。

 

 日本で活躍する機会が与えられなかった人材がAIIBなどの(日本がライバル視する)組織を飛躍させて、揺さぶりとして効果を発揮するのです。

 現状では鳩山元首相が顧問に就任したところで冷ややかな反応が少し出るぐらいです。韓国での「土下座パフォーマンス」で日本国民をドン引きさせるのですから、揺さぶりにすらならないと言えるのではないでしょうか。