都政への政策なし、街頭演説ほぼなし、討論会ドタキャンの鳥越候補をプッシュする既存メディア

 東京都知事選が公示され、初めての週末を迎え、有力候補の立ち位置が見えてきました。

 与党候補が分裂したこともあり、野党統一候補の鳥越俊太郎氏が現状ではリードしているものと予想されていますが、鳥越氏の “都知事としての資質” に大きな懸念を示せずにはいられません。

 

1:都知事としての政策がない

 政治家として活動実績のない鳥越氏に政治的な知識が不足していることは問題視されないでしょう。なぜなら、有能な政治スタッフを抱えることで足りない知識を補うことができるからです。

 しかし、出馬を発表してから “都知事として政策” が何も発表されていないことはいかがなものでしょうか。

 街頭演説では「舛添・前都知事は無駄遣いをした」と批判しましたが、これはどの候補も述べると思われることです。その反省から、どういった政策を実行するのか。有権者が知りたいのはそこなのです。

 「住んでよし、働いてよし、環境によし」というのはスローガンであり、政策ではありません。野党統一候補として “政策協定” もないのですから、具体的な方向性を打ち出すことすらできないのでしょう。

 この状況では、4年間の白紙委任状を手渡すことと同じです。そのリスクを指摘することがジャーナリズムに基づくメディアとして求められていることなのではないでしょうか。

 

2:街頭演説では立候補した本人ではなく、応援弁士が長時間演説

 街頭演説をする最大の理由は候補者の主張・考え方を有権者に知ってもらうことです。そのため、応援弁士が駆けつけることがあっても、主役である候補者を引き立てる演説に留めることが王道です。

 ところが、鳥越候補の場合は彼を担ぎ出した陣営の議員や支持者が演説してばかりです。これは明らかに異様なことと言えるでしょう。

 

 有権者は本人の意見であったり、どういった政策を打ち出し、(有権者およびステークホルダーである)都民のための政治を行うかに注目しているのです。担ぎ出した議員や政党の代理演説では意味がありません。なぜ、候補者自身が自らの言葉で有権者に語りかけようとしないのでしょうか。

 記者クラブでの会見で「がん検診率100%が重要政策」と述べたことで、失言を連発する気配を陣営が察し、高い知名度で逃げ切ることを優先させようとしているのでしょう。確かに、メディアが協力してくれれば、有権者の多い年配層にネガティブな情報が届くことを制限できます。

 舛添・前都知事は “知事としての資質” が問われました。鳥越候補も同様に “知事としての資質・能力” に疑わしい部分が浮上しているのです。このことは公開の場で論じるべきと言えるのではないでしょうか。

 

3:有力候補による討論会をドタキャン

 フジテレビで行われる予定だった都知事候補者による公開討論会が鳥越氏が出演を見合わせたため、キャンセルになったと増田寛也候補が自身のツイッターで報告しています。

 なぜ、討論会をキャンセルしたのでしょう。

 テレビ討論会を投票判断の基準に考える有権者もいるはずです。街頭演説では自らの政策の良い点にだけしか言及しないのですから、政策が抱える問題点やリスクは討論会でなければ、公衆の面前にさらされることはありません。

 自らの意見に対して寄せられる批判的な見解に対して、どのような説得力のある根拠を説明することができるのか。

 有権者が吟味したいのはこの点なのです。都知事として必要とされる能力を有しているのかを確認するために有効な討論会をドタキャンする候補者を持ち上げるのはいかがなものかと思われます。

 

4:舛添・前都知事よりも親韓派

 舛添・前都知事への批判の声が強まったのは都立高校跡地に「韓国人学校を増設する意向」が表面化したことでした。

 韓国人学校は定員割れであり、増設する理由はありません。その上、都立高校跡地がある地域は待機児童数が多いエリアであり、保育所の方が有権者である都民にとって重要度が高いという理由もありました。

 しかし、鳥越候補が主張している内容は北京やソウルとの都市外交。これは前都知事が行っていた内容と大差のない状態です。

 その上、日本に10年以上居住していれば、無条件で外国人選挙権を与えるべきと主張しています。これは “在日” にも選挙権が与えられることを意味しており、北朝鮮の民族教育に染まった人物にも選挙権が付与されることとなるのです。

 相手国で日本人の選挙権がない国がある一方で、日本(東京都)だけが無条件で外国人に選挙権を与える意味はありません。外国人の意向を日本国内での政治に反映させなければならない理由はないはずです。

 

 都民のために働く知事になるとは想像しにくい鳥越氏のような人物をメディアが熱心にサポートしている姿勢は奇妙なものです。メディア関係者は将来、鳥越氏のようにテレビで顔を売り、政界に転身することを虎視眈々と狙っているのでしょうか。

 “やさしい好々爺” というイメージを前面に押し出し、逃げ切りを図る選挙戦略なのでしょう。メディアが全面的に協力することで、ネットに触れない年配者世代の票を切り崩されずに済むと思われるからです。

 トンチンカンな主張をする候補者を都知事にして痛い目を見るのは都民なのです。「共産党と支持者であるみんなに都政を取り戻す。」と主張していると見るべきでしょう。クレーマーとして政権に文句を言うことしか能がない自称ジャーナリストに都政を委ねるメリットがまったく見えてこないと言わざるを得ないと思われます。