民進党の無責任体質を社説で批判する左派メディアが現れたことは歓迎すべきこと

 朝日新聞と同じく左派のスタンスを採る毎日新聞が8月3日付の社説で野党第1党である民進党に対し、「まず無責任体質を改めよ」と書いています。

 与党である自民党の姿勢をとにかく批判し、野党の振る舞いは手放しに称賛し続けてきた方針から変化したことは評価することができるでしょう。この方針を左派メディアが継続できるかが鍵と言えそうです。

 

 次に進む前に指摘しておかなくてはならない点がある。岡田氏が東京都知事選投票の前夜に不出馬表明したことだ。民進など野党4党が推薦した鳥越俊太郎氏の敗北を見越して、その責任をうやむやにするためだったとしか思えないからだ。

 (中略)

 民進党は旧民主党時代から代表が交代するたびに結束を呼びかけながら、その直後に内紛が起きてきた。今のままでは、それが繰り返される可能性がある。まず、こうした無責任体質を改めないと新代表を選んでも国民の信頼は得られない。

 

 野党に寄り添う紙面を作ることがほとんどの毎日新聞が社説でここまで言及することはかなり異例と言えるでしょう。問題はこうした左派メディアからの苦言を受けた民進党が組織として生まれ変わろうとすることができるかです。

 実は、野党第1党という立場は非常に “オイシイ” ものであり、無責任体質が組織内に蔓延しやすい状況にあるのです。

 

 まず、政権与党ではないため、政策の結果に対する責任を負うべき立場にはありません。そのため、実現性の乏しい無責任な政策をアピールする誘惑が常につきまとうこととなります。

 また、政策を実行する立場にもいない訳ですから、外部から野次を飛ばすだけの “ガヤ” であったとしても、『野党第1党』の看板がある限り、メディアが注目してくれるのです。これは「横暴な政権運営をする与党と対決する政治家」をアピールする絶好の機会ですので、パフォーマー議員が次々に生まれる土壌になっていると言えるでしょう。

 スタンドプレーに走る議員ばかりで構成された政党が政権を担っていたのですから、経済を始めとする国の重要政策が定まらなくて当然です。

 このような無責任な野党はまず有権者の選択肢となりません。「この法案はイヤ」「要求が受け入れられなければ、国会論戦には応じない」「我々の軽視する、与党の進め方は横柄だ」などと “駄々っ子の主張” を繰り広げ、左派メディアもそれを批判することなく、寄り添う姿勢を続けてきたのです。

 

 『野党第1党』の要職に就けば、大きな責任を負うことなく、メディアにチヤホヤされ、自分が政治活動しているように大きく好意的に取り上げてもられる。

 こうした甘い考えを育む “温室” を維持してきたメディアも自らの無責任体質を猛省し、自民党議員に対する姿勢と同じ基準で追求しなければなりません。

 なぜなら、無責任体質の野党に政権が移った場合、めちゃくちゃな政権運営による影響をメディアも受ける可能性が大いに存在するからです。「自分たちは安全地帯にいる」という思い込みは非常に危険です。おかしな経済政策で企業の業績が傾き、広告費を一律カットということが起きない保証はどこにもないからです。

 

 「権力を監視する」とメディアやジャーナリストが主張するなら、自分たちを含め、自民党を批判することと同じように行動しなければなりません。

 甘やかしても良いことは小さな子供に限定すべきです。少なくとも、国家権力を構成する政治家に対し、子供のように甘やかすことは非常に失礼なことと言えるでしょう。“クレーマー議員” に厳しい姿勢で臨むことこそ、メディアが果たすべき役目と言えるのではないでしょうか。