九州電力が三反園知事からの “要請” を拒否した点を高く評価したい

 鹿児島県の三反園知事が薩摩川内市にある九州電力の川内原発の運転即時停止を要望していた件で、九州電力は要請には応じず、当初の計画に基づき運転を停止させることを発表したとNHKが報じています。

 法的根拠に基づかない県知事からの要請を拒否し、法令を遵守する姿勢を貫いた九州電力の経営陣は高く評価されるべきと言えるでしょう。

 

 鹿児島県の三反園知事がただちに一時停止して安全性を再点検するよう要請していた川内原子力発電所の1号機について、九州電力はこれまでに示していた計画のとおり、来月6日に運転を停止し、定期検査を行うとする申請書を原子力規制委員会に提出しました。

 (中略)

 川内原発をめぐっては、鹿児島県の三反園知事が先月、九州電力に対し、ただちに一時停止して安全性を再点検するよう要請していましたが、九州電力はこの要請には応じず、来月からの定期検査の中で、知事が求める原子炉や格納容器などの点検を入念に行う方針を5日、知事に伝えました。

 

 自社の経営を悪化させる要請を受け入れることは背任行為に該当します。

 九州電力がグレーゾーンで収益を上げており、それに対する改善要望であるなら理解もされたことでしょう。しかし、現実には法令を遵守している九電に対し、三反園・鹿児島県知事が法的根拠に基づかない “要望” を出しているのです。

 不毛な停止要請や訴訟という形で損害を与えようとする勢力が実際に存在する訳ですから、各電力会社は損害賠償請求という形で毅然とした対応を採らなければなりません。

 

 三反園知事が九電に対して行ったことは意味のない “政治パフォーマンス” と言えるでしょう。そもそも、川内原発1号機は10月6日に定期点検で運転が停止する予定になっていたからです。

 点検が予定され、問題なく稼働している発電施設の運転を停止する根拠はあるのでしょうか。また、運転停止を要望する権限は鹿児島県知事にあるのでしょうか。

 「民意は反原発を求めている」と主張するメディアがありますが、選挙という明確に示される民意からは読み取ることはできません。仮に民意があるなら、反原発を進める政策を全面的に押し出した勢力が政権を取っているはずです。

 実際のところは、反原発派に民意など存在せず、法的根拠を無視して原発の運転を停止したから、元の状態に戻すための法的根拠がなく、運転再開にGOサインを出せないということでしょう。

 

 菅直人が法的根拠のない “要請” で原発の運転を止めたことが発端です。したがって、最大の対処策は「定期点検の完了した原子力発電所は法令に基づき運転を再開してください」と現職の総理大臣が発言することになります。

 違法状態で原子力発電所が運転が止まっている限り、経済が上向く気配はないと言えるでしょう。そして、それを黙認する政府も民主党政権(当時)と共犯という間柄になります。

 また、その間は国富が追加の化石燃料代として海外に流出し続けることを意味しているのです。この現実から目を背け続ける限り、民進党がどのような経済政策を出そうが、市場から評価されることはありえないでしょう。

 “立憲主義” を訴える政党やメディアが違法状態を黙認・奨励し、違法状態によって損害を受ける企業(=大手電力会社)が法令を遵守する。これを異様と感じないのであれば、政治のセンスも経済のセンスもないと言われて当然なのではないでしょうか。