TBS山内あゆアナウンサーも蓮舫氏と同じ二重国籍状態と思われる

 民進党の蓮舫代表代行が二重国籍であったことを13日に認めました。

 7日にTBSの『Nスタ』でベトナム人の父を持つ山内あゆアナウンサーが「二重国籍で日本国籍を選択したが、(ベトナムへの)離脱届をやっていない」と発言したことは大きな問題と言えるでしょう。

 

 蓮舫代表代行の問題を取り扱ったニュースで山内アナウンサーは「二重国籍自体は問題があるわけではないんですよね」と発言し、番組内で次のように述べています。

 

  • 父がベトナム人で母が日本人
  • 二重国籍で日本国籍を選択
  • (ベトナム国籍の)離脱の届け出はやってない
  • 22歳まで日本の法務局から「どちらの国籍を選択するのか」という連絡は来ていた
  • ベトナムからは(そのような連絡は)来ていない

 法務局から国籍選択に関する連絡は『催告』です。ベトナム国籍は台湾籍と同様に届け出を行うことで、離脱することが可能となっています。

 したがって、山内あゆアナウンサーのようにベトナムとの二重国籍状態であることは国籍法に違反する行為です。それをテレビ番組で堂々と発言するTBSのコンプライアンスはどうなっているのでしょうか。

 

 山内あゆアナウンサーの経歴は蓮舫氏と似たものがあります。TBSのブログに以下のような記事がありました。

 翌年生まれた私に、父はベトナム国籍を選びました。私は「あゆちゃん」と日本名で呼ばれていましたが、それは通称であり、戸籍にはベトナムの名のみが記されていました。それこそがタイフォンちゃんです。朝の食卓では父によるベトナム語ミニ講座が開かれていました。

 時は流れ、私は二重国籍を申請し、ベトナム行きのダンボールは片付けられ、ベトナム語講座もいつしか開かれなくなりました。それでもベトナムは豊かにはならず、父は日本の永住権を取りました。

 山内アナウンサーが生まれた1976年当時の国籍法は父系主義です。そのため、ベトナム人の父を持つ山内アナの国籍はベトナム一択となります。

 二重国籍の申請については1985年に国籍法の改正が施行され、両系主義となってからであれば問題となることはありません。特例による日本国籍取得が認められているのですから、その時点で日本国籍を取得していれば22歳の誕生日まで合法的に二重国籍であることが容認されているからです。

 山内アナが22歳になるのは1998年の誕生日。その時まで法務局からの催告を受けていたのですから、日本とベトナムのどちらを選択するかを決断しなければなりません。

 

 多重国籍保有者が日本国籍を選択するには法務省のホームページに掲載されている国籍Q&Aで紹介されているフローチャートが分かりやすいと言えるでしょう。

 ベトナムは国籍離脱が認められている国家です。したがって、日本国籍を選択する方法としては “外国国籍の離脱” を選ばなければなりません。“日本国籍の選択宣言” は国籍の離脱を認めていない外国籍離脱のための方法なのです。

 つまり、山内アナは本来選択すべき “外国国籍の離脱” ではなく、“日本国籍の選択宣言” という間違ったプロセスを選んでしまっているのです。

 過失として大目に見てもらえると思いますが、テレビで「二重国籍であっても問題とはならない」と主張したことに対する責任は取らなければならないでしょう。また、明らかなコンプライアンス違反に対し、TBSがどう対処するかにも注目です。

 

 ちなみに、山内あゆアナウンサーが22歳時点まで確実に保有していたベトナム国籍ですが、消失はしていない可能性があります。

 ベトナムでは1998年の国籍法(第24条)で「ベトナム公民が外国国籍を取得するためにベトナム国籍を離脱する申請をする場合、ベトナム国籍を離脱することができる」と規定しました。これは、ベトナム国籍の離脱申請を行わなければ当該者の二重国籍状態が維持されるということを意味します。

 ところが、過去に難民としてベトナム国外に定住した在外ベトナム人やその子孫の数が300万人を超えていると言われ、国籍問題が浮上し、2008年の国籍法改正により、在外ベトナム人は二重国籍を保有することが可能となりました(PDF)。

 二重国籍が認められるのは5年以内に届け出ることが条件となっており、届け出そのものをしていない山内アナのベトナム籍は失効していると考えることが一般的です。

 しかし、2014年の時点で在外ベトナム人の届け出期間を5年延長して2019年までにしようという提言が出され、首相も承認したと報じられていることが実状です。おそらく、ベトナム政府から見れば実在が怪しい “ゴースト” 状態のベトナム籍保有者が相当数存在しており、山内アナもその1人と言えるでしょう。

 

 ベトナム籍は離脱申請が認められる国籍なのですから、山内アナは「念のため」という意味でも国籍離脱届を提出する責務があります。

 また、TBS(特に法務部)は自社のアナウンサーが放送で二重国籍を容認するという問題発言を行ったことへの処分を行うべきでしょう。それがコンプライアンスが求められる放送局として当然の姿勢なのではないでしょうか。