「これはヤバい」でお馴染みのサムスン・ギャラクシー、アメリカで新製品をリコール

 日本ではCMで「これはヤバい」を売り文句にしていた韓国・サムソン電子の新型スマートフォン『ギャラクシーノート7』が本当にヤバい状態になっていると読売新聞が伝えています。

 

 米消費者製品安全委員会は15日、韓国のサムスン電子が8月に発売した新型スマートフォン「ギャラクシーノート7」のリコール(回収・無償修理)を行うと発表した。

 リチウムイオンのバッテリーから火が出るなどの報告が相次いでいるためで、対象台数は米国内で約100万台に上るとしている。

 

 リチウムイオンバッテリーから発火するという不具合が相次いで報告され、ついに正式リコールが発表される事態となりました。新製品に欠陥があったことを認めた形となりますが、ダメージコントロールを上手くできるかが注目点となるでしょう。

 問題があった部分が「バッテリー本体」なのか、「バッテリー周りの設計」なのかといった原因の特定が待たれていることは言うまでもありません。

 この部分を誤魔化すようであれば、消費者離れを引き起こす原因になり得ることです。特にサムスンとスポンサー契約を締結しているプロスポーツチームからすれば、いい加減な対応をされると思わぬ流れ弾を受ける可能性があるだけに対応を見守っているものと思われます。

 

 日本では問題となっている『ギャラクシーノート7』はまだ販売されていません。しかし、すでに販売済みのアメリカ、カナダ、韓国から持ち込むことは可能であり、持ち込みが制限されている航空機内での使用には目を光らす必要があります。

 また、『ギャラクシーノート7』がリコールされる原因となった同じ問題を抱えているサムスン製品が日本国内で販売されている可能性もあるのです。

 そのため、リコールの原因が明示された上で対策が完了までは余波に注意すべきと言えるでしょう。消費者の安心・安全を守るためには性善説ではなく性悪説で対応することが欠かせません。特にリコール対象の製品であれば、なおさらのことです。

 

 日本では毎年冬になると「石油給湯器のリコール」を呼びかけるCMが未だに流れています。そのような誠実な態度を続けることが日本国内の市場では非常に重要なことであり、信頼を得るためには欠かせません。

 サムスンがそういった姿勢を持っているかが今後の対応で見えることになるでしょう。

 コンプライアンス的に問題がなくとも、消費者が求める水準は企業が定めるコンプライアンス以上であるのが日本市場なのです。挽回する能力を持った有料企業か、それとも放漫な企業なのか。それが白日の下にさらされるリコールになると言えそうです。