「蓮舫を中傷した石関貴史衆院議員(民進党)を離党か除名しろ」と民進党群馬県連が主張

 民進党の群馬県連が同党の石関貴史衆院議員を離党か除名処分とする対応を党本部に求めたと毎日新聞が伝えています。

 石関議員は「維新の党」から民進党に合流した経歴を持っており、旧・民主党系の地方議員とはそれほど良好な間柄ではないのでしょう。しかし、蓮舫代表の二重国籍を問題視する姿勢を表明しただけで離党や除名を求める群馬県連の姿勢は評価できるものではありません。

 

 民進党県総支部は27日の常任幹事会で、党本部に、石関貴史・衆院議員(比例北関東ブロック)の離党か除名を含めた対応を求めることを決めた。

 (中略)

 党代表選で県内の大半の議員らが蓮舫氏を支持した一方、石関氏は前原誠司氏の推薦人になり、蓮舫氏を批判。代表選後に「二重国籍を承知で公党の代表に選ぶとは、この党はどうかしている」とのコメントを出した。

 

 石関議員が「この党はどうかしている」とコメントしたのは当然でしょう。なぜなら、代表選を争っている最中に蓮舫氏の二重国籍問題がクローズアップされ、蓮舫氏の説明が二転三転した挙句、地方議員・党員・サポーター投票が締め切られてから二重国籍であったことを認めたのです。

 当初から蓮舫氏が二重国籍であることを認め、その上で民進党の執行部が定めた規則に従って代表選が行われ、蓮舫氏が新代表に選手されていたのであれば異論を挟む余地はなかったでしょう。

 しかし、実際には現行法では認められていない二重国籍である蓮舫氏への処遇を民進党の執行部は何も決定しなかったのです。「自分たちは法を遵守する意図はない」と宣言しているも同義と有権者に捉えられるリスクがあるのですから、石関議員が批判する心境は理解できるものです。

 

 違法状態だった蓮舫氏を批判することは当然です。

 与党・自民党議員が違法状態は厳しく追求するが、身内の民進党議員であれば、“なあなあ” で済まそうとする。批判が寄せられれば、「差別・中傷」という言葉で論点をそらし、真っ当な批判をかき消そうとする。

 クレーマーのような姿勢が有権者の共感を呼ぶことはないでしょう。なぜなら、そうした態度は社会で働く多くの有権者が最も嫌うものの1つだからです。

 立法府の議員が所属する民進党はその意識があまりに希薄すぎます。“野党” であることをアピールし、メディアもその姿勢を甘やかしています。しかし、世間一般の視点で言えば、国会議員は明らかに権力者サイドにいるのです。

 「権力者による不法行為を与党議員の場合と同様に水準で対処できるのか」が有権者に見られていることに気づかなければなりません。

 

 石関貴史議員が発した蓮舫氏の二重国籍を批判するコメントに対し、群馬県連は党本部に処分を要請しました。

 民進党は党本部でこの件を議論し、その内容を公開すべきでしょう。情報公開を政府に求めるのですから、自分たちの党内で議論した内容を有権者にオープンとするのは当然のことです。

 嘘をついていないのであれば、公開の妨げとなるものは何もありません。“多様な意見を持つ人材” が自由に意見を述べることができる国政政党として世間に訴える絶好の機会なのですから、議論の内容をすべて公開して欲しいものです。