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温暖化対策のパリ協定が発効、日本は “経済問題” として取り組む必要がある

 国際的な地球温暖化対策とルールとして枠組み作りが進んでいた「パリ協定」が発効要件を満たしたとして、2016年11月4日から効力を発揮することを国連が発表したとNHKが伝えています。

 日本では国会承認を得ていない状況ですが、今国会で可決されることでしょう。この問題は「温暖化問題」ではなく、「経済問題」として取り組む必要があります。

 

 地球温暖化対策を進める国際的な枠組み「パリ協定」について、国連は5日、締約国の温室効果ガスの排出量が世界全体の55%を超え、発効の要件が整ったとして、来月4日に協定が発効すると発表しました。

 (中略)

 先進国だけに温室効果ガスの削減を義務づけた京都議定書と異なり、発展途上国を含む世界の190か国以上が削減に努めることを定めたうえ、今世紀後半には世界全体の排出量を実質的にゼロにする目標を掲げています。

 発効することで法的な拘束力を持ち、協定を締結した国は温室効果ガスの削減目標を5年ごとに国連に提出し、目標を達成するための対策をとることが義務づけられます。

 

 

 温室効果ガス削減の具体的な数値目標が決定することはこれからのことです。環境保護団体が主張するキレイゴトがこれからメディアで登場する頻度が増えることが予想されますが、彼らが具体的な対策を提示する能力に欠けていることを見落としてはなりません。

 「CO2の排出量を減らせ」と主張することはできても、具体策の提示をすることはないでしょう。また、対策を講じる予算を確保することもなく、コストの増加が見込まれる産業界に対する説得すら行わないからです。

 経済活動を行う上で電力に代表されるエネルギー消費は不可欠です。「エネルギーを消費すること=温室効果ガスを排出すること」であり、温室効果ガスの排出を制限するということは経済活動に制約を設けることと同じ意味を持つのです。

 つまり、地球温暖化は環境問題として提起することは可能であっても、実際の対策は経済問題として動く必要があるのです。

 

 例えば、エネルギー消費として代表的な発電で考えてみましょう。現在の日本では原子力発電所の運転が停止し、その分を火力発電で賄っています。

 その燃料費は年間3兆円規模である上に、温室効果ガスも排出している状況なのです。「パリ協定」に日本も国会承認が得られることで効力が生まれるのですが、火力偏重を見直す必要が生じます。

 “再生可能エネルギー” を有望視する声も一部で存在するでしょう。しかし、安定して継続した発電手法ではなく、FITで発電コストが高く、消費者に高額な電力料金を負担させるというデメリットがあります。

 発電分野での現実的なCO2削減策は原子力発電所の運転再開なのですが、反原発派の論陣に固執する朝日新聞などが反対キャンペーンを継続することが予想されます。「温室効果ガスを排出せず、エネルギーを安価で生産することが可能」という施設の運転を認めないのであれば、消費者が納得できる代替案を提示する責務が反原発派にはあるはずです。

 

 温室効果ガスの排出は “発電事業” が最もイメージしやすいのですが、実際には物流(トラックや船舶、航空機など)や産業(工場や農場など)、一般家庭からも排出されています。

 現状では政府が振興させたい業界に補助金という形で資金が投入されていますが、今後は炭素税という形に切り替わることになるでしょう。炭素税で徴収した資金で政府が温暖化対策を行い、排出量の抑制を狙うという政治スタンスが予想されるからです。

 ただし、日本の場合は “炭素税” という名目で税収を増やし、それを増大する社会保障費にバラマキを行おうとする政治家が与野党を問わず一定数存在することに注意が必要です。

 「原発の発電比率を5割にし、温室効果ガスを削減する」と国際公約を掲げておきながら、反原発派に鞍替えした民進党のような政党も存在するのです。メリットとともにデメリットにも言及し、デメリットに対する具体的な対処策を明示できる政治家の発言以外は疑う習慣を身につける必要があるのではないでしょうか。