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世界経済フォーラムが「日本の男女格差が広がった」と主張するのは的外れ

社会

 世界経済フォーラムが各国の男女格差のランキングを発表し、日本が111位にランクダウンしたと朝日新聞などリベラル系メディアが大きく取り上げています。

 ですが、評価項目を確認すると、“男女格差” として主張されている要因はそれほど問題視する必要はないでしょう。なぜなら、アファーマティブ・アクションを求めていることと同義だからです。

 

 ダボス会議で知られる世界経済フォーラム(WEF)は26日付で、各国の男女格差(ジェンダーギャップ)を比較した今年の報告書を発表した。日本は世界144カ国中111位となり、主要7カ国(G7)で最下位。前年の145カ国中101位から大きく順位を下げた。

 

 男女格差を算定するのは以下の4項目を数値化することで示されます。

  • 教育
  • 健康と生存率
  • 政治への参加
  • 経済活動への参加と機会

 日本では『経済活動』と『政治』への参加に対する値が悪く、その結果としてランキングが下がる要因になったとのことです。しかし、その根拠として指摘されていることは論理的に脆弱と言えるでしょう。

 

 『政治』分野についてですが、「国会議員における男女比」や「女性の首相が出ていないこと」がマイナスに評価されてとのことです。

 まず、日本の国会議員は男女有権者が普通選挙で選ばれます。女性有権者の方が多数派であり、その支持を得られるかは政治家個人の力量です。特定の性別だから配慮する必要はどこにも存在しません。

 政治家として力量が不足しているにもかかわらず、男女間の格差をなくすために “ゲタを履かせる” のであれば、無能な政治家を国政に送り出すことになり、そのツケは有権者自身が払うことになるのです。

 女性の首相が出ていないことも「首相にふさわしい実績を残した女性政治家」が存在していなかっただけのことです。実力のある政治家なら、首相の座に付くことは難しくないでしょう。有権者の半数以上が女性であるという現実がある訳ですから、女性票を軽視する政治家がトップに立つことは簡単なことではありません。

 しかし、結果を出せない人物を「女性である」という理由で政治家にし、実力差を無視して厚遇しようとすれば、大きな反発を招くことになるでしょう。

 

 次に『経済活動』の分野ですが、高位職における女性の割合が悪いことがランキングを下げる原因と指摘されています。

 これも実力主義が採用されていれば、性別間での格差などと騒ぐ必要はないでしょう。政治家と同じく、実力のない人物に役職を与えることになれば、本人だけでなく周囲にも甚大な影響を及ぼすからです。

 ただし、日本の場合は世界経済フォーラムが提供する男女格差ランキングが悪化する要因は他にも存在します。それは起業家の男女比率です。

 

 男女格差のランキングには「官民での高位職における女性の割合」が項目としてあるのですが、起業家の割合で女性が低くなると、この項目での数値が悪化することを意味しているのです。

 企業が誕生した際の創業メンバーは企業活動が続く限り、“高位職” にあるでしょう。企業規模が拡大する際は基本的に人を雇い入れ、創業メンバーが各部門をまとめる重役として組織が大きくなっていくからです。

 では、日本での『起業希望者の男女比率』と『起業家の男女比率』がどうなっているかを確認することにしましょう。

画像:『起業希望者の男女比率』と『起業家の男女比率』

 中小企業庁が「我が国の起業の現状」という項目で、総務省が発表する「就業構造基本調査」からデータを抜き出したものを公表しています。これによりますと、起業希望者の男女比率は 7:3 で推移しています。

 実際の起業家の男女比率は 6:4 から2000年代に入ると(希望者の割合と同じである) 7:3 に近づいていることがデータで読み取ることができます。この現実を知った上で、男女格差に関する問題を語る必要があるのではないでしょうか。

 

 起業家の男女比率が 7:3 であるなら、“高位職” に就いている人物の男女比率も 7:3 に近い数値に全体として収束することでしょう。起業して経営を安定させることは簡単なことではありません。

 苦労して、やっと経営が軌道に乗りかけたと思ったら、お気楽な人権団体が「男女格差がある」などと言いがかりを付けてくるのです。慈善事業をしている訳ではないのですから、聞く耳を持たない経営者の方が大半だと言えるでしょう。

 女性にも起業するかどうかを決定する選択権がある訳ですから、「もっと起業しろ」などと政府が強制することは民主主義では非現実的です。

 また、国会議員の男女比率についても、有権者が選択した結果なのです。民意が明確に現れるのが選挙結果なのですから、それを否定するような指摘をするリベラル派の主張の方が論外であると厳しく指摘されなければなりません。

 自分の実力がないことを「ガラスの天井があり、差別されている」と論点をすり替えたところで、支援の手を差し伸べてくれるのは怪しい活動家だけです。本当に実力があるなら、新しい組織を作るなど天井そのものを取っ払う方法があることを見落としていると言われることになることを認識しておく必要があるのではないでしょうか。