「アベノミクスの対案となる具体策」すら持たず、提案型政党と訴える民進党

 NHKによりますと、民進党はアベノミクスに代わる具体策を今後1年程度かけて取りまとめることを確認したとのことです。

 提案型政党だと蓮舫新代表になってから繰り返し主張していますが、実態は具体策を持たない従来の民進党と同じです。代わりの具体策もなく、今まで国会で騒いでいたのですから民進党の姿勢は滑稽だと言えるでしょう。

 

 民進党は、アベノミクスに代わる経済や社会保障の政策を打ち出そうと新たに設けた調査会の初会合を開き、財政や税制の改革のほか社会保障や教育の充実に向けた具体策を、1年程度かけて取りまとめることを確認しました。

 (中略)

 調査会では月に2回程度のペースで会合を重ね、財政や税制の改革のほか社会保障や教育の充実に向けた具体策を1年程度かけて取りまとめることを確認しました。

 党執行部としては、安倍政権の経済政策、アベノミクスに代わる経済や社会保障の政策を打ち出すとともに、蓮舫代表と代表選挙で争った前原氏に党の主要政策の取りまとめに協力を求めることで、挙党態勢の構築にもつなげたい考えです。

 

 民進党は “アンチ・ビジネス” による経済政策を掲げ、『コンクリートから人へ』であったり、『原発ゼロ』という無責任な主張を掲げています。

 また、財政を圧迫する原因となっている年金など社会保障費も抑制する必要があるのですが、それに対しては否定的な見解を持っていることはニュースで取り上げられています。

 経済政策では税収の増加を見込む方針には否定的で、社会保障政策ではさらなる支出に前向き。累積の財政赤字が大きくなっている国で行うことが求められる予算編成の真逆を主張している状況なのです。

 

 日本のように累積債務が増加した国では与党となった政党が採る方針はどこも同じようなものになります。

  • 税収増を見込む経済政策の実施
  • 財政支出の削減

 赤字を解消させるには『収入分を増加させること』と『支出分(or コスト分)を減少させること』の2つを両立させることが理想的です。

 「票のために、(年金など社会保障費の)支出分は減少させれない」ということは本末転倒になるでしょう。

 

 経済政策に失敗すれば、政権を失うことは民主党時代に痛感しているはずです。「裕福な大企業から税金を取ってやる」と主張し、実行に移すと自分たちの首を締める結果になることを理解しなければなりません。

 資金力のある大企業ほど、人口減少で市場規模が縮小する日本市場に見切りを付け、海外に生産・製造拠点を移す決断をする要因になるからです。

 優良企業ほど日本国外に拠点を置き、国内での雇用は減少し、限られたエリートだけが日本で雇用されるという皮肉な結果を招くことになるのです。その発端となるのは「裕福な大企業から税金を取れ」という無責任な主張に迎合することでしょう。

 

 民進党がどういった “アベノミクス対抗策” を打ち出すのかは不明ですが、自民党政策の逆張りに固執している現状を考えると、ずれ切った政策案が提示される可能性が高いと考えられます。

 アベノミクスについては、痛みを伴うことになる業界や人がほとんどなかった点は評価されるでしょう。しかし、ブラシーボ的な意味合いが強いため、結果が出る経済政策が別に必要であることは確かです。

 この部分に適応する実現性のある具体的な経済政策などが提示する力が民進党にあれば、政権交代も起こり得ることだと思われます。ただ、その期待を持たせるような発言もなければ、肝となる政策もまったく見えていないことが民進党の現状であると言わなければならないことが残念です。