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“ISの友人” 常岡浩介氏、イラクで拘束される

国際

 日本人のフリージャーナリスト常岡浩介氏がイラク北部のクルド自治政府当局に拘束されていたことが明らかになったとNHKが伝えています。

 常岡氏がこれまでメディアに登場し、語っていた内容などを考えると拘束されるだけの理由は十分にあると言えるでしょう。日本政府は身柄解放に向けた努力はするでしょうが、即座に解放される見込みは低いものと考えられます。

 

 イラクにある日本大使館によりますと、日本人のフリージャーナリスト、常岡浩介さんがモスルの近郊でクルド自治政府当局に拘束されたとの情報があり、問い合わせたところ、常岡さんの拘束を確認したということです。

 常岡さんは、イラク軍やクルド人部隊が10月から進めているISのイラク最大の拠点モスルの奪還作戦を取材するため、イラク北部を訪れていました。常岡さんが拘束された場所や日時など詳しいことはいまのところ明らかになっていませんが、先月26日までツイッターに投稿していることから、拘束されたのはそれ以降と見られます。

 

 おそらく、常岡氏は「取材活動」としてジャーナリストの肩書きでイラク入りしたのでしょう。しかし、クルド自治政府当局はそのように判断しなかったため、拘束に踏み切ったのだと考えられます。

 常岡氏が拘束された一番の理由は彼が “ISの友人” としてメディアに登場し、名前が世界中に広がったためでしょう。

 

 例えば、常岡氏は france 24 の記事で過激派組織ISに賛同する日本人として、ISの機関誌に掲載されたことを紹介しています。

画像:ISの機関誌に掲載された常岡氏

 写真を勝手に利用されたのであれば、疑いはすぐに晴れたと思われます。しかし、実際にはISの旗を背景に機関銃を持ち、笑顔で写真に収まっているのですから、ISのシンパかスパイと疑われる理由は十分すぎるほど存在します。

画像:機関銃を構える常岡氏

 また、後藤健二氏や湯川遥菜氏がISに拘束・殺害された事件で「ISとのコネクション」の存在を匂わせ、人質交渉に関与しようとした発言や行為も拘束の原因になったことでしょう。

 コネクションがあるということは連絡を取り、相手が欲している情報を伝えるスパイの要件を満たしていることを意味しています。「連絡をとっていない」という理由でスパイ容疑のある人物を解放することは普通の国では考えられないことなのです。

 

 「常岡氏はジャーナリストだから即時解放を」と日本政府が前面に出て主張することもないと考えれます。

 渡航禁止が出ている地域に自らが出かけ、拘束されたのですから自己責任です。また、ジャーナリストとして取材活動で金儲けに出かけ、過去に複数回拘束された経歴を持っているのですから、同情論も起きづらいことでしょう。

 ジャーナリストは偉大な使命を担っているという大きな勘違いをしたエセ・ジャーナリストたちが日本政府当局に対し、「即時解放要求を出せ」と叫ぶことになりそうです。

 どれだけ叫ぼうが “ISの友人” として名が知れ渡った人物が、ISとの戦いで最前線にいる当局が簡単に解放することはないでしょう。それが現実的なリスク管理をする上で、最も適切な判断だからです。

 

 常岡氏の身柄解放に向けての取引条件として、「(イラク側勢力による)モスル奪還後、日本人外交官に付き添われて即刻国外退去」に加え、「今後X年間はパスポートを与えない」ことがクルド自治政府当局から提示されたとしても不思議ではありません。

 スパイ容疑はそれほど重大なものとして認識されていますし、“ISの友人” として名が知れた人物が自由に活動されることは大きなリスクがあることをジャーナリストであるなら、十分に理解しておくべきだったと言えるのではないでしょうか。