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「社会人野球の王国だった」と北海道新聞が嘆き悲しむなら、JR北海道の野球部を引き取るべきでは?

 JR北海道の野球部が休部する発表を受け、北海道新聞がツイッターに「厳しい時代です」と悲しむツイートを投稿しています。

画像:北海道新聞によるツイート

 北海道が社会人野球の『王国』であった時代を理想とするのであれば、北海道新聞がJR北海道の野球部を傘下に治めるなど、企業チームの灯を消さずに済む方法は存在します。上記のツイートは北海道新聞の無責任な体質が現れたものと言えるでしょう。

 

 なぜ、無責任と批判的な主張ができるのかと言いますと、北海道新聞はJR北海道に対し、2016年10月27日付の社説で「自治体に支援を求める前に経営努力をしろ」と主張しているからです。

 人口が減り高速道路などの整備で車の利用が進む中、広い道内で鉄道を維持する難しさはあろう。

 しかし、赤字だからといって公共交通機関のJRが自治体に負担を求めるのは、安易すぎないか。

 まず、JRが経営努力で何ができるかを示さなければ、理解は得られまい。

 (中略)

 JRは維持困難路線を年内に公表し、自治体との協議に入る構えだ。鉄路の存続を目指す場合、自治体が線路や駅を所有する上下分離方式を提案するとみられる。

 自治体財政の窮状を考えれば、条件によっては上下分離が廃線の口実になりかねない。

 JRは、鉄道事業の赤字を穴埋めする経営安定基金の運用益減少で、安全投資を抑えざるを得ない状況にあるとして、路線を見直して安全運行を図る考えだ。

 運行の安全を保つというより、安全な路線だけ運行すると聞こえる。本末転倒ではないのか。

 

 「赤字を垂れ流した状態を放置すること」は民間企業の経営ではありえないことです。広大な北海道という特殊条件であるとは言え、収益の出ない赤字路線を抱えて運転資金が枯渇し、ドル箱路線の安全運行に支障が出る方が本末転倒と言えるでしょう。

 人口密度の低いエリアで鉄道の本数を増やしたところで効果はありません。そもそも鉄道による輸送ニーズがない訳ですから、意味のないことは明らかです。

 この状況下で “経営努力を示せ” と地元メディアから突き上げを受ける訳です。採ることができる経営戦略は必然的に限定されることになるでしょう。

 

 オーソドックスなものですが、JR北海道は次のような経営戦略をしただけです。

  • 本業(鉄道業)の黒字化
    → 不採算路線の廃止・バス転換
  • 本業とは無関係な部門の閉鎖
    → JR北海道野球部の休止

 「経営努力で何ができるかを示せ」と問われれば、「まずは本業での赤字額を圧縮します」と答えることでしょう。これは不採算路線からの撤退を意味することです。

 赤字を出している部門を公共交通機関だからという理由で “聖域化” したところで、ビジネスそのものが立ち行かなくなっては元も子もないからです。

 また、本業の黒字化と並行して、収益を上げることに貢献していない部門を閉鎖することになります。

 札幌などの都市部にJR北海道が所有するビルなどがあれば、不動産部門として経営に大きく貢献するでしょう。しかし、野球部などのクラブ活動は支出の面が大きく、“経営努力” を求められると、活動規模を縮小せざるを得ない状況に追い込まれることになるのです。

 

 JR北海道・野球部の休止を悲しむのであれば、北海道新聞・野球部として活動ができるように交渉し、選手が同じ環境で野球ができるように北海道新聞が引き取れば済む話です。

 自らが社説で「JRが経営努力で何ができるかを示さなければ、理解は得られまい」と書いておきながら、その余波で野球部の休止が決まったことに「厳しい時代です」などと他人事のようにコメントする姿勢は無責任なものです。

 自分たちができないことを棚に上げ、相手に要求するほど楽な仕事はありません。北海道新聞はJR北海道の野球部を引き取るなり、撤退路線を買い取って運営するなり、やるべきことがあるのではないでしょうか。