ドイツに到着した難民の13%しか就職できていない現状を深刻視すべきだ

 ロイター通信によりますと、2015年以降ドイツに到着した移民・難民で就職できているのは全体の13%。8人に1人の割合であることが調査により明らかになったとのことです。

 しかし、難民を呼び寄せるメッセージを発したことによるツケを払うことになるのはこれからが本番になるでしょう。

 

 2015年から今年1月にかけてドイツに到着した難民のうち、就職している人は全体の13%で、多くはまだ亡命申請の審査を受けている段階にあり、労働市場へのアクセスが限られていることが分かった。

 (中略)

 到着時にドイツ語が話せなかった人は全体の90%前後に達し、雇用の主要な弊害となっている。

 

 日経ビジネスでメルケル首相を称賛するコラムを書き続けている熊谷徹氏はこのような不都合な実情から目を背けることでしょう。

 ドイツを目指した難民の多くはドイツ経済にプラスを生み出す存在ではないからです。「難民は経済にプラスになる」と主張するメディアや識者が存在しますが、プラスになる根拠を確認すると「難民向けの住宅などを行政が整備することで公的支出が増加し、GDP がアップする」というものです。

 これでは「難民の存在が経済のプラスになる」とは言えません。

 

 なぜなら、貧困層の国民向け住宅を政府予算で整備しても同じ経済効果を得られることを意味しているからです。

 当然、「同じ経済効果をもたらす国内政策を実行するにあたり、なぜ国民ではなく外国人が優先されるのか」という批判を生む原因となります。しかし、その批判を「差別的な思想だ」というポリコレによる “言いがかり” で押さえ込もうとしているのですから、問題が複雑化の一途をたどることでしょう。

 移民として受け入れられるには定められた能力要件を満たす必要があります。「能力を持ち合わせている人物」は仕事を見つけることも比較的容易な訳ですから、就業機会も増えることを意味します。

 ところが、難民の場合では「スキルの有無による足切り」は存在しません。その結果、受け入れ国の社会保障制度にタダ乗りするような人物が大幅に含まれることとなるのです。

 

 移民申請の場合、ドイツ語が話せないことは申請が却下される大きな理由となるでしょう。申請が受理されるにはドイツ語ができないことを帳消しにできるだけの “特別なスキル” を持っているスポーツ選手など例外的なケースに限定されるはずです。

 ですが、難民申請ではドイツ語ができないことが理由で却下されることはありません。また、現地語でコミュニケーションが取れなくても、社会保障で生活が保証されるのですから、学習意欲が増加する見込みも少ないでしょう。

 義務を果たさずに権利ばかりを主張する人は嫌われる傾向にありますし、難民の多くがフリーライダーと化している現状では批判的な論調が強くなる傾向を止めることは事実上不可能なことです。

 実務の責任を絶対負わない立場にいるメディア目線で論じるから、メルケルの主張こそ、絶対的に正しいものだと言い切ることができるのだと思われます。

 

 言語でハンデを背負うと、学習・就労面で大きな影響が生じることは明らかです。そのことを自覚し、ドイツが感情的な対処を行った難民政策を反面教師とする必要があるでしょう。

 国内産業に従事するのであれば、消費者や取引相手と意思疎通を図ることは必須となります。その際に現地語を話せない人物を積極的に雇用する企業は奇特な存在です。

 メディアですら、「ドイツに来た難民からXX人を新たに雇用し、収益もアップしました」というメッセージを送ることができていないのです。まずはマスコミが難民を雇用することで、お手本となるべきなのではないでしょうか。