韓国代表ソン・フンミンがトッテナムのCL敗退の戦犯?

 サッカーの欧州 No.1 を決める大会 UEFA チャンピオンズリーグでトッテナム(イングランド)が敗退した戦犯として韓国代表FWソン・フンミン選手が名指しされています。

 理由は先制点を奪う “絶好機” を逃したからとのこと。チームが置かれていた状況を踏まえ、この批判がまっとうなものであるかを見ることにしましょう。

 

 チャンピオンズリーグは4チームごとに8グループに別れ、それぞれのチームがホーム&アウェイ方式で対戦。6試合のグループステージを戦い、各組上位2チームが決勝ラウンドに進出する形式となっています。

 

 第5節が始まる前でのトッテナムが所属するグループEの順位表は以下のとおり。

表1:2016/17 UEFA CL:グループE(4節終了時)
 チーム名勝点得失
1 モナコ 4 2 2 0 8 +4
2 レバークーゼン 4 1 3 0 6 +1
3 トッテナム 4 1 1 2 4 -1
4 CSKAモスクワ 4 0 2 2 2 -4

 グループ首位のモナコとは勝点差4のグループ3位で、モナコとのアウェイ戦を迎えるというチームにとっての大一番。最終節ではグループ最下位に沈む CSKA モスクワをホームに迎え、勝点3の獲得が確実視されるだけに、モナコから勝点3を奪いたい試合であると言えるでしょう。

 

 ソン・フンミン選手が酷評されたのは前半6分のこのプレーです。

画像:決定機を外したソン・フンミン(トッテナム)

 スルーパスに反応して抜け出し、“GKと完全な1対1の状況” を作ったまでは完璧です。モナコのサポーターは失点を覚悟したことでしょう。

 ただ、FW圧倒的に優位な状況下でGKをかわすフェイントが中途半端で、シュートに持ち込むことすらできず。トッテナムは絶好のチャンスを逃す結果となってしまいました。このプレーは「戦犯」と名指しされて当然というべき内容です。

 

 試合はホームのモナコが 2-1 で勝利。その結果、グループEの順位表は次のようになりました。

表2:2016/17 UEFA CL:グループE(5節終了時)
 チーム名勝点得失
1 モナコ 5 3 2 0 11 +5
2 レバークーゼン 5 1 4 0 7 +1
3 トッテナム 5 1 1 3 4 -2
4 CSKAモスクワ 5 0 3 2 3 -4

 残り1節を残して、トッテナムは3位のまま。最終節でトッテナムが勝利し、2位レバークーゼンが敗れれば勝点7で両チームが並びます。

 しかし、直接対決の結果ではレバークーゼンがトッテナムが上回っているため、トッテナムのチャンピオンズリーグ敗退が決定しました。

 

 もし、ソン・フンミン選手が前半6分の絶好機を活かし切ることができていれば、トッテナムが先制して試合を進めることができていたでしょう。「勝点8で首位のモナコを勝点7のレバークーゼンとトッテナムが追う」という混戦で最終節を迎えていたかもしれません。

 それだけにメディアが “戦犯” として糾弾する姿勢はまっとうなものと言えるでしょう。ソン選手だけの責任ではありませんが、攻撃面では大きな責任があることは確定的です。

 9月にプレミアリーグ月間最優秀選手に選出されましたが、10月以降の試合ではノーゴールと精彩を欠いています。早すぎる “息切れ” に対する批判も含まれているのだと思われます。

 年末年始のプレミアリーグは過密日程ですので、出場機会は与えられるはずです。巻き返しができるのかにも、注目と言えるでしょう。