沖縄では活動家がプレス(記者)になりすますのだから、取材活動の締め出しは起きることだろう

 オスプレイが不時着した事件への取材活動で記者が現場から締め出される事態が起きたと批判する記事を沖縄タイムスが書いています。

 しかし、沖縄では活動家が自らのブログで「プレスの腕章を付けて立ち入り禁止区画に入った」と投稿しており、取材活動をそのものが疑わしい状況があります。そのため、マスコミに与えられている特別対応が本来の形で機能しているかを見直す必要があるでしょう。

 

 午前7時半ごろ、墜落から2日間にわたり報道機関が取材した区域に記者が入ろうとしたところ、迷彩服姿の米軍関係者が行く手を防いだ。

 警察官が近づき、「プレス(記者だ)」と伝え、通行させようとしたが、米軍関係者は「ノー」との姿勢を崩さなかった。

 

 現場検証にマスコミが立ち入ることは単なる妨害行為です。事故原因を調査する能力もなく、できることと言えば、現場を荒らして写真や映像を撮るぐらいでしょう。

 沖縄タイムスが文句を述べているのは「前日まで入れた区画に取材で入ることを拒否された」というもの。

 波によってオスプレイの部品が海岸部に散乱することを考えると、取材であったとしても、立ち入りを拒否することは当然とことと言えるでしょう。なぜなら、どういった部品が利用されているかということは軍事機密の1つだからです。

 

 また、沖縄で在日アメリカ軍関連の取材を行うマスコミそのものが信頼されていないことも “締め出し” を受ける理由と考えられます。締め出される大きな要因の1つは「活動家がプレスになりすましている」ことでしょう。

 沖縄県東村などにある北部訓練場のヘリパッド移設工事に対する妨害活動の際に沖縄防衛局職員に怪我を負わせたとして傷害の容疑で逮捕された男組・高橋直輝こと添田充啓容疑者は自身のブログで次のように書いています。

画像:添田充啓容疑者によるブログへの投稿内容

 「安田浩一氏から “press の腕章があれば、N1 ゲートに入れるかもしれない” とアドバイスされたので、腕章を借りて N1 ゲートのある現場に行った」と投稿しています。

 つまり、press 腕章をつけて取材を行う人物の誰かが自分の腕章を活動家に借し渡し、本来は入る資格を持たない人物を立ち入り禁止区画に入れたことを自供しているのです。これでは、メディアが “取材の自由” を訴えたところで、相手側(在日アメリカ軍など)は非協力的な姿勢になるでしょう。

 

 マスコミが「自分たちの取材活動に自信を持っている」と主張するのであれば、プレス腕章を使った取材を行っている記者をオープンにするべきです。

 “取材クルー” という形態を採っているなら、全員の所属を自社サイトで公開した上で行うべきでしょう。まっとうな取材活動を行っていれば、読者や世間からの批判を受けても容易に反論できることですし、記者を匿名で守る必要はありません。

 なぜなら、プレス腕章を使い、一般人には立ち入る資格のない場所で取材活動を独占的に行うことができるのですから、相応の対価は支払うべきでしょう。

 また、活動家にプレス腕章を貸し出したりするといった “小遣い稼ぎ” を行うような倫理観が欠如した人物を排除する役割も期待できます。

 すべての取材活動で自社の腕章を付けている訳ではないのですから、対応は比較的容易であり、すぐに対処すべき事案であると言えるでしょう。むしろ、現状のプレス腕章の使い方には問題点が明らかとなっており、対処に消極的な姿勢はメディアの印象を悪くするだけです。

 

 嘘ニュースの存在がアメリカやヨーロッパでは問題となっています。しかし、既存メディアなどで活動している記者の質そのものが粗悪になっていると思われる現状から目を背けるべきではないでしょう。

 誰もがネットを使えるということは、その分野の専門家も容易に情報を発信することができ、時間無制限で情報内容を査読することも可能なのです。

 忙しい現代人が1つのニュースをじっくりと真偽を確かめることはないでしょう。ですが、自分が専門とする分野の真偽はすぐに見分けられ、根拠付きで正確な情報が発信されることは可能です。

 そのような情報が整理されるプロセスも確立されつつありますので、マスコミがあぐらをかいていられる時代は終焉に差し掛かっていると認識し、無責任な取材方法から見直す必要に迫られていると言えるのではないでしょうか。