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「頑張れば賃金が上がる」のであれば、「結果を出していない労働者の賃金を下げること」も必須だ

 連合の神津里季生会長はNHKのインタビューに「頑張れば賃金が上がるという常識を取り戻すことが大事」と述べたと報じられています。

 ただ、功労者に賃金で報いるためには、功労者ではない人物が高額の報酬を得ている状態を是正する必要がありますし、コストに対してシビアになる必要あることを無視した発言と言えるでしょう。

 

 ことしの春闘について連合の神津会長はNHKのインタビューに「頑張れば賃金が上がるという常識を取り戻すことが極めて大事だ」と話し、基本給を引き上げる「ベースアップ」などを維持することが重要だという考えを示しました。

 

 組合活動の決算である春闘に向けた意気込みを語ったに過ぎないと切り捨てることもできるでしょう。

 労働者が出した結果には差が生じているわけで、全員が一律に基本給が引き上げられる「ベースアップ」に固執することが時代に即していないとは言い難いからです。

 IT化が一般的になった現代では従業員1人1人が評価されることが当たり前でしょう。部門全体に一律同じ評価が下される会社組織はまずないと言えるからです。

 また、頑張った従業員が賃金で報われるには、結果を残していない従業員が高給を得ていることが特権化している実状にメスを入れることも忘れてはならないことです。

 

企業が使えるコスト総額には上限がある

 「企業は儲けている」というイメージがありますが、費やすことができるコストには限度があることを忘れてはなりません。もし、連合の神津会長が求めるように「頑張れば、賃金が上がる」ことが常識とするなら、企業にとってコストが増加することを意味します。

 そのため、A氏の頑張りを賃上げで評価するなら、成績の悪かったB氏を賃金ダウンとする必要があるのです。

 「頑張ったA氏が賃金アップを勝ち取るのは当然、成績の悪いB氏を賃金ダウンにするなど以ての外」という論理は通用しません。これでは、お荷物人材が増えるだけで企業の稼ぐ力が削がれていく結果になるだけでしょう。

 年功序列の恩恵を受けた “逃げ切り世代” が占める人件費によって、頑張った人に回すはずの資金が消えている現実から目を背けているのは他ならぬ連合自身なのです。パフォーマンスの悪い社員を金銭解雇・賃金ダウンを当たり前にしなければ、頑張った人が報われることはないでしょう。

 

電気代も社会保障費も、企業にとってはコストである

 企業のコストという意味では人件費が真っ先にイメージされるでしょう。しかし、電気代も社会保障費も企業にとっては同じコストなのです。

 労働者のことを考えるのであれば、「賃金水準を上げること」と並行して「コストを下げること」も重要なことです。

 工場での電気代もコストなのですから、再生可能エネルギーの導入推進など “労働者の敵” として糾弾する責務が連合にはあります。『高額な電気代』は企業にコストとしてのしかかり、賃上げの妨げとなるのです。

 その状況を容認することは “労働者の味方” とは言えません。それとも、連合の組合員は電気代高騰ぐらいでは大した影響を受けない裕福な人ばかりなのでしょうか

 社会保障についても同じです。社会保険料を黙って上げ、労働者の生活を平気で圧迫する政策を止めようとしない安倍政権を攻撃するなら、このような点で攻め立てるべきなのです。

 

“ぶら下がり” が容認される時代ではない

 グローバル化が進んだため、国内企業だけで市場は独占することは不可能となりました。その状況でパフォーマンスの悪い社員が “ぶら下がり” ができることは問題です。

 解雇されるリスクがゼロであれば、“ぶら下がり” をする人物も出てくるでしょう。新入社員よりもパフォーマンスが悪くても、解雇することは事実上不可能なのです。この労働環境は改善する必要があるのではないでしょうか。

 仕事ができない人に業務をアサインすることは上司にとっての自殺行為ですし、“できる人” に仕事が回されるも、賃金では報われないという悪循環に陥り、企業全体として疲弊感が蔓延するのです。

 連合に求められていることは「労働者目線で働き方改革を提示すること」です。「年功序列の恩恵を受けた正社員の生活を守ることではない」のです。そのことを忘れているようでは存在価値は失われ、支持者離れに歯止めが止まらないと言えるのではないでしょうか。