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政権奪取後のビジョンを語らない野党に投票しようとは思わない

政治

 2014年12月に行われた衆院選から2年が経過したことを受け、残す任期は半分を切りました。各政党とも解散・総選挙を見越した動きを本格化させ始めていることをNHKが伝えていますが、野党側が情勢を覆すことは簡単ではないでしょう。

 なぜなら、政権交代を達成した後のビジョンがまったく語られていません。民主党政権時代に辛酸をなめさせられた有権者を甘く見すぎているとしか言えない状況です。

 

 民進党、共産党、自由党、社民党の野党4党は、先月26日、幹事長・書記局長が会談し、次の衆議院選挙に向け、小選挙区の候補者調整などについて各党の実務者による協議を始めることで一致しました。

 こうした中、共産党が候補者の一本化にあたっては、各党が推薦し合うことにこだわらない考えを示したことを受けて、「相互推薦」に慎重な姿勢を示していた民進党も「従来よりハードルが低くなった」として、具体的な協議を急ぎたい考えです。

 

 

“白紙委任状” を民主党に渡して、痛い目を見たことを有権者は覚えている

 高支持率を維持している安倍政権が民主党から政権を奪ったことを忘れてはなりません。つまり、政権交代が起きた原因を解決することができていなければ、議席数を伸ばすは不可能なのです。

 民主党政権が誕生した大きな理由は「自民党政権は嫌だ」という空気が作り出され、有権者がそれに乗ったためです。しかし、大きな “落とし穴” があることを有権者の多くが見落としていました。

 民主党政権はビジョンがない政党だったのです。“反・自民党” という特徴はありましたが、日本国民にとってプラスとなる政策は皆無に近く、経済状況を悪化させ、生活水準を苦しくさせました。

 有権者よりも中国・北京の顔色を伺い、法律を平気で無視する有様を反省していない政党に対し、再び “白紙委任状” を渡そうとする有権者はますいないでしょう。民主党政権で甘い汁を吸うことに成功した一部の有権者だけが熱心に支援している現状を自覚しなければなりません。

 

政策協定済みと自公政権 vs 候補者調整中の野党4党

 「政策の実現可能度」という観点が与野党の差が最も顕著に示される部分と言えるでしょう。連立政権を組む自民党と公明党は政策協定を結び、どういった政策を実行していくのかを有権者に示すことができています。

 しかし、野党4党は立候補者を調整している段階です。政策協定すら行われていない状況なのですから、“白紙委任状” を手渡すことと同じです。

 また、結集の理由が「反・自民党」というものですから、政権交代後に分裂することは明らかです。自民党という “共通の敵” がいなくなれば、大企業を “次なる共通の敵” と位置づけ、法人税を重くし、弱者にばら撒きを行うという『超巨大な政府』になることも十分に考えられることです。

 ただ、そのような方向性であるかすら示すことができていない野党4党の現状は致命的であることは確かです。安倍政権後のプランを示さない野党が躍進する理由があると考える方が奇妙なことと言えるのではないでしょうか。

 

共産党が得ようとする利益と引き換えに野党3党は何を手にするのか

 野党3党は今回の協力体制で何を手にしようとするのかに注目と言えるでしょう。なぜなら、共産党には “目に見える成果” が手に届くところにあるからです。

  • 日本共産党の現状
    • 小選挙区は沖縄1区のみ
    • 供託金の没収額は約3億円
  • 選挙協力によって得られること
    • 小選挙区で2桁の議席獲得に現実味
    • 供託金の没収額が限りなくゼロに

 共産党には「現状の議席数から10以上を増加させた上、供託金の没収額をほぼゼロにできる」という千載一遇のチャンスが訪れているのです。

 これに対し、民進党など他の野党は “どういった成果” があると見越して野党共闘を進めているのでしょうか。この点については政策協定が決定する前に、それぞれの政党支持者に対して説明ができるはずです。

 価値観が異なる政党と組むということは政策で “何らかの譲歩” が必要であり、譲歩分を上回るリターンが得られないのであれば、無理をして歩調を合わせる必要はないのです。

 「共産党にそそのかされたのではない」ことをアピールする点でも、野党共闘によるメリットを語る必要があると言えるでしょう。小選挙区で得票率 10% に届かず、供託金を没収される政党の候補者に選挙区を譲る理由を説明できなければなりません。

 

審議拒否は話にならないが、「終わらせた後のビジョンなし」も論外

 安倍政権に選挙でピリオドを打った後のビジョンが皆無では、民進党や共産党に期待する中間層の有権者はいないでしょう。

 自民党に票を入れた有権者の多くは消去法的に選択していることは過去に起きた政権交代からも明らかです。国会審議には応じず、採決では「強行採決だ」などと批判し、政権交代後のビジョンもない。この現状では「野党に期待する」と表明し、票を投じるモチベーションは起こりようがありません。

 「民主党政権になれば、生活が良くなる」と訴え、具体策を提示していない政党に政権を渡した結果、高い代償を支払い続ける羽目になったのです。

 同じことを繰り返すほど学習能力が欠如している有権者はごくわずかでしょう。確証を提示せず、好き勝手やらせてもらえるのは子供だけです。政治の世界では “やり直し” は不可能なのですから、現実的なプランを有権者に提示し、共感を呼ばない限り、支持率が高まることはないと言えるのではないでしょうか。