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トヨタはトランプ次期大統領からの圧力に屈せず、メキシコで新工場を予定通り建設すべき

 トランプ次期アメリカ大統領からツイッター上で批判を受けたトヨタは現時点で計画を見直す予定はないとしているとNHKが伝えています。

 トヨタは当初の経営方針を貫くべきでしょう。進出国の政府が何かと注文してくるケースはアメリカに限った話ではありませんし、中・長期的には現政権に擦り寄ることはダメージになるリスクがあるからです。

 

 トヨタは、2019年の稼働を目指してメキシコに新しい工場の建設を進めていますが、アメリカのトランプ次期大統領はツイッターで、「とんでもないことだ。アメリカ国内に工場を作らないのならば、高い関税を払うべきだ」などと批判しました。

 (中略)

 トヨタは「アメリカ国内の生産の規模や雇用が減ることはない」としており、引き続き、アメリカに10の工場があり、13万6000人の従業員を雇用するなど、アメリカ経済に貢献していることを強調し、粘り強く理解を求めることにしています。

 

 トランプ次期大統領のツイートで冷や汗をかいているのはトヨタではなく、日産やマツダの方でしょう。トヨタは日本車の代表格として名指しされただけに過ぎません。

 すでに反論しているようにアメリカ国内市場向けの工場があり、多数の従業員を雇用している現実があります。そのため、「嫌がらせを続けるなら、老朽化した工場を国外に移転させ、雇用情勢を悪化させるぞ」と反発することも可能です。

 

 トランプ政権による経済政策は不透明ですが、スタンスとしては中国共産党のように介入をしてくる可能性があるという前提で対策を用意しておけば十分でしょう。

 中国も政権が「工場を作れ」「労働者の待遇を改善しろ」「技術移転しろ」と企業に対して様々な注文を付けています。トランプ政権が同様のことを要求した場合、経営陣がどのように対応するのかで企業力が見えることになると思われます。

 生産コストが高いアメリカ国内に新規工場を建設するには相応のメリットが不可欠です。「国内市場でニーズが存在し続ける」か「国外に輸出する競争力がある」のどちらかが絶対条件で、それを上回る生産能力を持つ工場を新たに建設することは投資効果が少ないのです。

 正面から反論する必要はありませんが、「自分たちはアメリカ経済に大きな貢献をし、多数の従業員を雇用している」という実状を繰り返し発信することが重要になるでしょう。

 

 “政府からの要望に応じる企業” というイメージを持たれると政府から要求される項目が増え、足かせを作る結果になります。そのような事態を予防する意味でも、行政からの要請は応じないという姿勢を示すことが求められます。

 事業計画を崩してまで擦り寄る必要のあるケースは例外的なプロジェクトだけに限定されるでしょう。少なくとも、メキシコ工場を捨てるだけのメリットはトヨタにはないと言えるのではないでしょうか。