民進党や朝日新聞は “言葉遊び” をするのではなく、「南スーダンのPKO活動に国益はない」と主張せよ

 南スーダンでPKO活動を行う自衛隊が『戦闘』に巻き込まれているかという議論が予算委員会で質疑されているとNHKが伝えています。

 ただ、この議論は安倍政権に失点を付けたい野党やメディアのキャンペーンに過ぎないと言えるでしょう。

 なぜなら、自衛隊員のことを考慮するのであれば、「南スーダンでのPKO活動は日本の国益に寄与していないため、速やかに部隊を撤退させるべきだ」という主張が前面に押し出されているはずだからです。

 

 民進党の小山国会対策副委員長は、防衛省が破棄したとしていた南スーダンでのPKO活動に関する自衛隊の部隊の活動記録が保管されていたことに関連して、「去年7月に作成された文書には、『戦闘』という言葉があるが、戦闘があったことを認めるのか」とただしました。

 これに対し、稲田防衛大臣は「一般的用語として『戦闘』という言葉が使われていることは書かれているとおりだが、法的意味の戦闘行為ではない」と述べました。

 

 『戦闘』が行われるような危険地域に渡航することは国としてストップをかけなければなりません。なぜなら、国は日本国籍を保有する人物の保護義務を負っているからです。

 ですが、民進党や朝日新聞などが主張する意見は自衛隊員にとってプラスとなっていないことが現状です。

 

 「戦闘が行われている危険な地域なのだから、速やかに撤退しろ」という意見なら、野党側の主張に賛同する人が増えるはずです。

 ところが、「アメリカの戦争に巻き込まれること」を懸念する人々ほど、南スーダンで『戦闘』が起きていると騒ぐ一方で、「自衛隊を南スーダンでのPKO活動から即時撤退させよ」とは主張していないのです。なぜ、自分たちが危険地帯と見なうような場所に自衛隊を滞在させ続けるのでしょうか。

 もし、南スーダンに手を差し伸べることによる国益があると考えているのであれば、その根拠を示す必要があります。“国際社会への貢献” と述べたところで、具体的なメリットがなければ意味のないことです。

 PKO活動を「チャリティーの一環」と見なしているのであれば、それは大きな勘違いであり、“割に合わない活動” であることを自覚しなければなりません。

 

 野党や朝日新聞が考える理想的な展開はPKO活動中の自衛隊員が『戦闘』に巻き込まれて、死傷することでしょう。

 なぜなら、南スーダンへのPKO活動を決定した安倍政権の責任という理由で大バッシングキャンペーンを展開するための攻撃材料ができるからです。連日連夜、「自衛隊員を危険な地域に派遣したアベ政権を許すな」という内容の主張が展開されることでしょう。

 そのためには “危険地域” で活動する自衛隊員は丸腰であることが望ましく、身を守りたくても自衛手段が極端に限定されていることが理想的なのです。

 海上自衛隊の艦船に無茶な操縦をして衝突した船舶の操縦者に肩入れする活動家が存在することを考えると、「反政府運動を行う絶好の口実」を自衛隊のPKO活動に見出したに過ぎない言論が民進党など野党や朝日新聞の内部に蔓延していると言えます。

 

 本当に自衛隊のことを考えているなら、南スーダンでの活動によって日本の国益になることはないと主張し、自衛隊のPKO活動を終わらせるよう訴えているはずです。

 もし、「南スーダンは日本の国益になる」というのであれば、野党議員やメディアが競って現地を訪れ、ポイント稼ぎをしていることでしょう。ですが、現状は訪問するために予防接種を行った際にアレルギー反応の出た稲田防衛大臣を揶揄する有様です。

 これでは『戦闘』という言葉の言葉遊びをしているに過ぎず、南スーダンでPKO活動に従事している自衛隊員を “人柱” にし、政局にしか関心のない政治屋と同じです。そのような姿勢を続ける政治家やそれに理解を示すマスコミの方こそ、世間から大きな批判を受けるべきです。

 

 また、政府は “戦闘行為” であれ、“集団的自衛権” であれ、自衛隊員の生命を守る目的で最大限容認する責務があります。中途半端な立場で板挟みとなり、大きなリスクにさらされるのは自衛隊員なのです。

 現状では中途半端な対応しかできないのであれば、南スーダンのPKO活動から即時撤退すべきでしょう。批判する野党やマスコミが国益を明示できないのですから、撤退を決断したところで有権者が離れることはないと言えるのではないでしょうか。