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『森友学園』が “全国水準の審査基準” への緩和を求めたことを問題視するのは無理がある

 朝日新聞が騒いでいる『森友学園』の件ですが、「学園側からの規制緩和の要望を受け、大阪府が基準を緩和した」と報じています

 しかし、これは言いがかりであり、“バッシングキャンペーン” としか言えないものです。「全国水準に緩和すること」を問題とすることは無理筋だからです。

 

 府教育庁私学課によると11年夏、学園の籠池泰典理事長から規制緩和の要望を受けたという。12年4月に、府は私立小学校の設置認可の審査基準を見直し、幼稚園しか設置していない学校法人に借入金があっても設置を認める内容に緩和した。

 

 『森友学園』の件で騒いでいる人々は「安倍政権(自民党)や大阪維新が優遇した」というシナリオを世間に訴えたいのでしょう。ですが、その考えは間違いばかりです。

 まず、大阪府で学校設置の審査基準が見直すよう要望がされたのは2011年夏。菅直人首相(現・民進党)が政権を担っていた時なのです。そして、実際に緩和されたのは2012年4月の野田内閣(現・民進党)でのこと

 この時点で「学校設置に安倍政権が後押しした」という主張は陰謀論だと言えるのです。

 

 次に、規制緩和についてですが、大阪府の基準が厳しすぎる方が問題だったのです。例えば、東京都では「借入金の返済」は事業費として認められます。ですが、大阪府では学校設置の際に借入金は認められないという基準が存在していました。

 松井知事がツイートしたように、「このハードルが他府県レベルに引き下げられたこと」が規制緩和の中身だった訳です。

画像:松井一郎大阪府知事によるツイート

 大阪府の基準が近隣府県と比較して同水準であるにもかかわらず、『森友学園』が設置するために引き下げられていたなら、大きな問題でしょう。

 しかし、現実には『森友学園』のような新規参入を拒み、既存の私立学校だけが過剰に保護されている規制が敷かれていたのです。大学を持つ学校法人がエスカレーター式に進学できる付属校を開校することは容易である一方、新規参入は事実上不可能である状況が維持される方が問題と言えるでしょう。

 

 ちなみに、2011年時点では安倍首相の存在感は皆無に近い状態でした。自民党総裁を務めていた谷垣禎一氏が党勢を立て直し、次回選挙で政権奪取を担う立場であり、安倍首相が長期安定政権を築くなど誰も想像していなかったはずです。

 「国有地の払い下げ価格」が問題であるなら、その点だけに焦点を絞り、算出方法が適切であるかを取材し、そこから得られた内容を記事として報じなければなりません。

 “疑惑” という形で印象論を先行させ、シロであることを提示されると「怪しい」などと抽象論で語ることは報道機関がすべきことではないのです。「怪しい」というなら、朝鮮学校に土地を格安価格で譲渡したことも同様に「怪しい」として報じなければなりません。

 

 『森友学園』とは比べものにならないほど土地取引で金銭的に利益を得ている学校運営者が存在するのです。この事実を無視するようでは『森友学園』の “疑惑” を追求する人物が信用されなくなって当然と言えるのではないでしょうか。