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諫早湾開門訴訟、和解に向け奔走する責務があるのは民進党である

 諫早湾干拓事業をめぐる堤防の排水門開放に対する訴訟で、長崎地裁は開門を禁止する判決を仮処分に続き、言い渡したと NHK が伝えています。

 “ねじれ” が発生した原因は「開門を命じる判決が確定しているため」です。その判断を下した民主党・菅直人政権(当時)の責任をマスコミが率先して問わないようでは事態が解決へと動く見込みは低いと言えるでしょう。

 

 長崎県の諫早湾で行われた干拓事業をめぐる裁判で、長崎地方裁判所は「堤防の排水門を開けると干拓地の農地に塩害などが発生する可能性が高い」として仮処分の決定に続き、国に対し、排水門の開門を禁止する判決を言い渡しました。

 諫早湾干拓事業をめぐっては、今回とは逆に開門するよう命じる判決が7年前に確定していて、司法の判断が相反する状態が続くことになります。

 

 開門を命じたのは2010年に福岡高裁が漁業被害を認定し、5年間を開門調査を命じたためです。ただ、高裁の判決であり上告する選択肢もあったのですが、菅直人首相(当時)の判断で、上告が断念され、高裁の判決が確定することとなったのです。

 「最低でも県外」と述べた鳩山元首相が基地問題を混乱させたように、菅元首相は「私なりの知見を持っている」と述べるだけで、具体的な解決策は何一つなく、現在も混乱が続く有様です。

 “民進党” と名前を変えれば、民主党政権時の失態をすべて帳消しにされる理由はありません。自分たちが行った政策や方針に対する責任は最後まで取らなければならないのです。

 

 国が制裁金を支払う責務を負っていると言うのに、原因を作った菅直人氏は無責任なものです。なぜ、開門を決定づけておきながら、原発への恐怖を煽ることばかりに専念し続けるのでしょうか。

 民進党も同罪です。諫早湾干拓事業における開門訴訟に深く関与しておきながら、判決内容に対する見解を何ら発表せず、沈黙を貫いているからです。

 開門を進めるのであれば、5年の期間中に塩害や(台風などによる)高潮という堤防機能が損なわれる前提での対策が不可欠です。そのための具体的な政策やプロセスを提示・アピールできていないのですから、“提案型の政党” とは到底呼ぶことはできないでしょう。

 

 現・与党である自民党がどのようなスタンスを採るかが諫早湾干拓事業の開門訴訟における注目事項となるでしょう。

 なぜなら、堤防機能を損なわせるリスクが大きすぎるからです。台風などで高潮による被害が生じれば、農作物などに大きな損害が生まれる危険性があることを意味します。

 開門派のスタンスを過去に採った民進党は開門に向けた動きを継続するか、閉鎖続行に転換するのかを鮮明にしなければなりません。自分たちの姿勢を曖昧にしたままで、事態から目を背け続ける姿勢は最悪の選択をしていると言えるでしょう。

 

 この問題でメディアの歯切れが悪い理由は国の責任を問うことが難しいからです。「国=自民党」であれば、バッシングキャンペーンを展開したでしょう。

 しかし、「国=民主党=現・民進党」による失態であり、野党応援団であるマスコミは真っ当な批判を行う論説を掲載することすらできない有様なのです。自分たちが掲げた政策・方針は最後まで責任を持って取り組めと主張することがメディアや支持者の責任なのではないでしょうか。