民進党は “数字による裏付けができない人物” が作成した政策を鵜呑みにするから浮上できない

 上智大学で教鞭をとる青地イザンベール真美氏が以下のツイートを行っています。

画像:青地イザンベール真美氏によるツイート

 民進党の党員である青地イザンベール氏が反原発の姿勢を採ることに不自然な点はありません。しかし、「再生エネで誰も死なない」という主張は事実に反する内容であり、墓穴を掘る結果になっています。

 

1:「再生エネは原発より人が死ぬ」という不都合な真実

 TWh(テラワット時=10億キロワット時)あたりの死亡率は下表のとおりです。

表1:TWh あたりの死亡率
エネルギー源 死亡率

電気・暖房・調理(世界) 100
発電(世界) 60
電気・暖房・調理(中国) 170
発電(中国) 90
(アメリカ) 15
石油 36
天然ガス 4
バイオ燃料・バイオマス 12
泥炭(ピート) 12
太陽光 0.44
風力 0.15

(世界) 0.1
(板橋ダムを含めた場合) 1.4
原子力 0.04

 

 青地イザンベール氏が「再生エネでは誰も死なない」と主張したところで、WHO が「TWh を発電するために汚染物質でどれだけ死亡するか」を発表しているのです。

 例えば、太陽光発電ではパネル生成時に利用する有害物質により、死亡率は 0.44 と報告されています。これは原子力発電の 0.04 の11倍に値する数値であり、「太陽光発電は原子力発電より安全」という主張は根底から覆されることになります。

 この “不都合な真実” に反原発派は根拠を示し、反論することができるでしょうか。

 

2:「数字による裏付け」ができない人物に政策作成を依頼する愚行

 青地イザンベール真美氏は上智大学・文学部史学科(PDF)で『国際関係論』を教えているようですが、学者の見解であるなら、意見の1つとして「再生エネでは誰も死なない」と主張することもアリでしょう。

 しかし、民進党員として首相閣僚級議員に政策を書いているとツイートしている以上、「数字による裏付け」ができていないことは致命的です。

画像:青地イザンベール真美氏によるツイート

 データに基づき、根拠が示されていれば、有権者に支持されることになります。しかし、数字を読み解くことのできない人物が政策を立案しているようでは有権者のニーズを読み解くこともできないでしょう。

 その結果、自らの思い込みに基づく政策ばかりが提示され、有権者から「左翼のプロパガンダ」だとの批判を浴びることになるです。

 

3:青地イザンベール氏は「ロリコン漫画禁止」ではなく、「キリスト教禁止」を訴えるべき

 上述のツイートで青地イザンベール氏は「ロリコン漫画禁止」を訴えていますが、国連薬物犯罪事務所(UNODC)が示した以下のデータを理解できていないから、そのような意見になるのではないでしょうか。

表2:人口10万人当たりの性犯罪件数【2014年】
国名 全体 レイプ 子供への強要
スウェーデン 219.2 64.9 580.9
イギリス
(イングランド)
136.9 51.0 271.5
ドイツ 58.3 9.1 144.9
フランス 48.3 19.0 129.9
アメリカ
カナダ

73.6
36.5

64.1
日本 6.8 0.1 21.1
イタリア 7.1 10.4

 青地イザンベール氏が理想として掲げていると思われるフランスは性犯罪におけるすべての数値が日本より下です。良い数値を記録しているのはイタリアが1項目のみで、ほとんどの先進国では倍以上か桁が1つ違っているという有様です。

 むしろ、“キリスト教の価値観” が根付いている国の方が数値が悪いのですから、「キリスト教を禁止」を訴えた方が児童や子供は守られる結果になるでしょう。

 カトリック系の教会では神父による児童虐待が問題となってるのです。カトリック系の大学である上智大学も同じ問題を抱えていると言えるはずです。その問題を解決するという意味においても「キリスト教の全面禁止」という主張は説得力を持つはずです。

 

 自らを無謬だと思い込む人ほど、調査で明らかとなったデータを無視する傾向にあります。その結果、矛盾を指摘される頻度が高くなり、世間一般から相手にされなくなるのです。

 第三者が見た際に中立的な根拠であるデータや数値を軽視しているようではマジョリティー(多数派)からの支持を得ることはできません。なぜなら、「自分たちに都合の良いことしかしない身勝手な人物」と見透かされてしまうからです。

 “埋蔵金” で解決できるのであれば、“埋蔵票” で安倍政権を倒すことも容易でしょう。しかし、どのぐらいの票が埋もれているのか、どうすれば手に入れられるのか、現実的な獲得方法はあるのかを精査しなければ手に入らないのです。その際、最初に必要となるのは「データを正確に分析する力」なのではないでしょうか。