国家戦略特区を批判する朝日新聞は「特区で容積率1600%を認めさせ、不動産でボロ儲けしている企業」を糾弾すべきだ

 愛媛県今治市が長年誘致してきた「獣医学部の新設」に対し、朝日新聞や民進党が “難癖” を付けています。

 手続き上、現時点で違法となる根拠は一切ありません。「国家戦略特区による恩恵はけしからん」というのであれば、大阪で特区を使い容積率 1600% という数字を認めさせ、不動産投資でボロ儲けをしている企業を糾弾すべきなのではないでしょうか。

 そのような企業(PDF)は実際に存在するのです。

 

1:構想からわずか1年で容積率が 60% 増になった異様さ

 この民間企業に対する “忖度” が行われた舞台は大阪です。『都市再生特別地区(PDF)』として、次のような変更が特区であることを理由に敢行されたのです。

地区名  中之島四つ橋筋地区
位置  大阪市北区中之島二丁目及び三丁目地内
現行用途地域
/ 容積率
 商業地域 / 1000%
容積率の
最高限度
 1600%
備考  業務、にぎわい・交流機能、宿泊、文化機能の導入、大阪の中心市街地である中之島地区にふさわしいランドマークの創出。

 

 ターミナル駅がなく、交通アクセスが良いとは言えない中之島にランドマークを作るメリットがあるのでしょうか。また、“中州” であり、強固な地盤とは言い難い中之島の容積率が 1600% にまで引き上げられたことは明らかに異様なことと言えるでしょう。

 大阪市北区中之島2~3丁目のビル3棟を、二つの超高層ビルに建て替える事業で、2007年4月に構想を発表しました。2008年5月に都市再生特別地区に承認、容積率1600%が認められ、プロジェクトがスタートしました。

 特区によって大きな恩恵を受けた当該企業は上記のように誇らしげに報告しています。構想からわずか1年で容積率が6割増の恩恵をうけた企業を批判することが朝日新聞に求められているのではないでしょうか。

 

2:「自分たちは特区で甘い汁を吸っている」とは口が裂けても言えない朝日新聞

 特区で甘い汁を吸った企業がなぜ批判されないのか。なぜなら、甘い汁を吸っているのが朝日新聞自身だからです。

 “慰安婦タワー” としてネット上で揶揄されている朝日新聞大阪本社が大阪・中之島で容積率 1600% の恩恵を受けた建物なのです。批判などするはずがありません。自分たちが使った有形・無形の脅しを他の特区申請自治体も手を染めていると勝手に思い込んでいるのでしょう。

画像:中之島の開発状況(大阪市発表)

 中之島の開発状況ですが、これを見ると奇妙なことが判明します。にぎわい・交流機能、宿泊、文化機能は中之島三丁目とは関係ないのです。

 なぜ、朝日新聞の大阪本社だけ特区という形で容積率が大幅に引き上げられたのかを説明する責務があることは言うまでもないことです。

 

3:なにわ筋線開通による新駅(中之島駅)開設を待つ朝日新聞

 「構想から30年近くが計画した鉄道計画」が存在すれば、朝日新聞は “計画の必要性” を疑問視するキャンペーンを展開するでしょう。しかし、大阪市などが進める『なにわ筋線』については沈黙を保っています。

 この理由は非常にシンプルで、なにわ筋線の新駅として中之島駅が設置されることが濃厚だからです。

 今は京阪・中之島線が通っているだけで、乗降客数は予想の半分以下と苦境に陥っています。しかし、なにわ筋線・中之島駅で接続されることになれば、関空などへのアクセスが向上し、地価はさらに上昇することになるでしょう。

 不動産投資からの売上高が大きくなっている朝日新聞がいくらバカでも自社の資産を傷つけるような真似はしないと考えられるからです。

 

 獣医師を育成する大学が存在しない四国に特区制度を利用して獣医学部を誘致することは社会的にも意義があることを言えるでしょう。

 加計学園の件が不適切であるなら、朝日新聞が大きな恩恵を受けた大阪・中之島の特区は論外です。“ジャーナリスト” を名乗るのであれば、自社が抱える怪しい部分に切れ込むべきです。

 しかし、腰抜けサラリーマン記者には無理なことです。渡辺雅隆・現社長が大阪社会部出身ということも少しは影響していることでしょう。中之島三丁目の特区認定を取り消すよう政府に圧力をかけることが朝日新聞に対する最大の報復になるのではないでしょうか。