民進党・玉木雄一郎議員、「獣医師会との癒着は問題ない」と開き直る

 朝日新聞と民進党・玉木雄一郎議員が “怪文書” を持ち出したことで、愛媛県今治市に特区として開設予定だった獣医学部が「政局」の様相を呈しています。

 玉木議員は獣医学部新設に反対し、獣医師が持つ既得権益を守るために奔走していますが、批判を招く結果をなっています。自身のブログで「問題はない」と主張していますが、“族議員による癒着・腐敗” と同じことをしていることを自覚すべきです。

 

構造改革特区による規制緩和の提案は平成19年度から行われている

 まず、愛媛県と今治市は共同で平成19年度(2007年)から「特区提案」を行っています。

表1:規制緩和の提案(平成19年度〜)
時期 文部科学省 農林水産省
第12次提案
(H.19.11〜20.3)
特区対応不可 事実誤認
第15次提案
(H.21.6〜21.10)
特区対応不可 事実誤認
第16次提案
(H.21.11〜22.2)
提案の実現に向けて対応を検討 事実誤認
第22次提案
(H.24.10〜)
※ 提案なし

 

 文科省は「特区対応不可」との回答を行ってきたのですが、平成21年(2009年)に「対応を検討する」と一歩踏み込んだ回答を出しています。愛媛県今治市に「獣医学部を新設する」というプランは地元が推進して来たものであり、政権が便宜を図ったものではないのです。

 

玉木議員は特区認定された後の選挙で獣医師会から献金を受けていた

 玉木議員はブログで獣医師会からの献金を受けたことに対し、以下のように説明しています。

 2012年末の衆議院選挙の際には、日本獣医師会政治連盟から100万円の献金をいただきましたが、関係法令に基づいて適切に処理されており、何の問題もありません。

 日本獣医師政治連盟から献金を受けたのは、この年だけです。これは、5年前の話。安倍政権になってからは一度もありません。

 しかし、今治市が特区に対する前向きな回答を得たのは平成21年(2009年)11月から行っていた第16次提案でのこと。鳩山政権(当時:民主党)が特区認定を許可したのです。

 その後に行われた最初の衆議院議員選挙が2012年の年末に投開票が行われた第46回衆議院議員総選挙だったのです。「適切に処理されているから問題ではない」と主張していますが、特区を利用した獣医学部の新設に動いている議員は加計学園側からの献金はゼロです。玉木議員と獣医師会の方が癒着関係にあると言えるでしょう。

 

既得権益を守るために奔走する玉木議員は “獣医師会の族議員”

 獣医師を養成する大学機関は東日本に偏っています。東京にある私立大学の定員数だけで西日本に存在する国公立大学全体の定員数を上回っており、是正対策が必要と言えるでしょう。

画像:獣医学部の空白地域

 その上、四国には獣医師を養成する機関は存在しないのです。このような状況であっても、四国・香川県選出の玉木議員は獣医学部新設に反対しているのです。

 なぜ、反対するのか。既存獣医師会の既得権益を守るためです。

 獣医師と医師は基本的に似た構造を持つ業界です。「研究機関+養成機関」である大学を頂点にしたピラミッド型で、人事権を持つ大学の力を背景にした “なわばり” が存在するのです。

 しかし、新たに学部が設置されると、パワーバランスが崩れます。“高度医療を提供できる大学” が人材供給源にもなる訳ですから、既得権益を持つ獣医師会の影響力が弱まることは火を見るよりも明らかなことなのです。

 

 憶測に基づき、森友学園の件で私人である安倍昭恵氏を追求したのは玉木議員です。公人である玉木議員は疑惑に対する説明責任を果たすべきです。

 愛媛県今治市に獣医学部を新設することに奔走していたのは民進党・高井議員であり、そのことに触れていないのは如何なものでしょうか。また、自らが示した “怪文書” の入手先についても、何の説明もありません。

 特定業界の利権を守ることは「癒着」として批判されて当然です。玉木議員と父と弟が獣医師であり、玉木議員の活動内容は身内の利権を守る典型的な動きと言えるでしょう。

 与党議員が身内に利益誘導している疑惑が生じた時点でマスコミは大騒ぎするはずです。野党議員であっても、政治家として同じ権限を有しているのですから、同様に対応すべきなのではないでしょうか。