法務省が “偽装難民問題” に重い腰を上げたことは評価すべき

 読売新聞によりますと、就労目的で『難民認定制度』が悪用されている問題に対し、法務省が新たな偽装対策を導入するとのことです。

 法務省がようやく重い腰を上げた形になりましたが、“偽装難民問題” に取り組み、ルール改正の働きかけを行い報道した人々も法務省と同様に評価されるべきだと言えるでしょう。

 

 就労目的の「偽装申請」が横行する「難民認定制度」について、法務省が来月中にも新たな偽装対策を導入することがわかった。

 現在は申請6か月後から日本での就労が一律に許可されているが、「技能実習」や「留学」などの在留資格を持つ申請者については、在留期限後に速やかに入管施設に強制収容する。物理的に就労できなくすることで、申請数の急増に歯止めをかけたい考えだ。

 

 現行制度では難民申請を行った6ヶ月後から就労が可能でした。また、申請自体も何度も行うことが可能であり、就労ビザを取得する代わりに難民申請を行うという形が横行していたのです。

画像:偽装難民申請問題への対策案(読売新聞より)

 それが上図のように変更されるのです。資格の持たない人物は入管施設に強制収容されるようになりますし、その後は国外退去処分を執行すべきと言えるでしょう。

 

 そもそも、『難民認定制度』は難民の立場になった人を救済するためのものです。「経済的な理由」であるなら、それは “難民” ではなく、“移民” です。

 “移民” であるなら、出身国の経済的状況に関係なく、申請者本人の技能(=スキル)で判断されるべきものと言えるでしょう。今回の『難民認定制度』が変更されることで痛手を被るのは「就労目的で虚偽申請をしている外国人(とその支持者)」に限定されます。

 支援の手が差し伸べられるべき “難民条約に記載された条件に合致する人々” の認定に遅れを生じさせていた原因の1つが解消されるのですから、法務省が示した方針を好意的に受け止める必要があります。

 

 「外国人を排除する差別的な決定」などと批判する人がいれば、それは完全に論理を履き違えています。

 “就労ビザ” を取得すれば、外国籍であっても日本国内で労働することは可能なのです。就労ビザを取得できない外国人が日本国内で働くために『難民認定制度』を悪用していることが問題として浮き彫りになっており、その対策が講じられただけに過ぎません。

 ビザを取得し、日本国内で勤労・納税をしている外国籍の人々が “変な誤解” を受けることも排除できるのですから、ルールを悪用できる問題点の解決に行政が本腰を入れたことは評価されるべきです。

 また、問題点の解決に訴え、関係各所に働きかけを行った人々・団体も称賛されるべきと言えるのではないでしょうか。