報道ステーション、加計学園・獣医学部の開学時期がおかしいと難癖

 京都産業大学が「獣医学部の新設を断念する」と記者会見で表明しましたが、そのニュースを伝えた報道ステーションが「開学の時期が謎」と言いがかりを付けています。

 時系列を無視した上、京産大による記者会見の内容を意図的に切り捨てている悪意あるニュースと言えるでしょう。注意が必要です。

 

報道ステーションの主張

 京都産業大学は14日、獣医学部の新設を断念すると表明した。教員の確保など開学までの準備期間不足を理由に挙げた。内閣府は、今年1月に獣医学部の開学時期を『平成30年4月』と正式に示した。加計学園は、内閣府が開学時期を発表する1年半も前から教員集めに奔走。さらに、去年10月には校舎の建設に必要な土地のボーリング調査の手続きまで進めていた。10日の閉会中審査で自由党の森ゆうこ議員は、開学時期の情報が加計学園側だけに伝えられていた可能性を追及。

 

報道ステーションによって切り捨てられた事実

 京産大が新設を断念した理由は記者会見での質疑応答で述べられていますし、時系列を確認することで加計学園に落ち度のないことは明らかです。その点を1つずつ述べることにしましょう。

 

1:京都産業大学が教員の確保ができなかった理由

 京産大が獣医学部の教員を確保できなかった理由は質疑応答で述べられています。

画像:京産大による質疑応答

 

 ーー 教員の確保が難しい理由として、日本獣医師会の反対も考慮したのか。

 いや。獣医学部を持つ大学は、日本で16校ぐらいしかない。教員も六百数十人しかいない。国際標準の獣医教育をしようとすると、教員72人が必要とされているので、一般的に難しいのではないか。

 京都産業大学は後発組であり、先に準備を進めていた加計学園が先に教員を確保された状態で新たに教員72人を確保することは難しいと判断したのです。これは獣医師を養成する学部に限りがあることが原因になっていると言えるでしょう。

 

2:ワーキンググループ(WG)のヒアリングが終われば、教員の確保に動くことは当たり前

 報道ステーションは「加計学園が開学時期が発表される1年半前から教員確保に動いている」と “疑惑” を報じています。しかし、時系列を確認すべきです。

画像:国家戦略特区の申請をめぐる時系列

 2015年6月に国家戦略特区・ワーキンググループが行われ、同月には閣議決定も行われています。その時点で「アウト」と言われなければ、教員を確保する動きを開始することでしょう。なぜなら、獣医学部で教員を務めることができる人物には非常に限りがあるからです。

 

3:「2016年9月に WG → 2016年10月にボーリング調査」も当然の流れ

 「2016年10月に校舎建設のためのボーリング調査が行われた」と報道ステーションは “疑惑” を報じていますが、2016年9月の WG で文科省は完膚なきまでに叩きのめされています。

 文科省が「獣医師は足りている」を示せなかったのですから、申請が拒否される要因はなくなったと判断して当然です。

 その結果、オウンリスク(=自己責任)で獣医学部新設に向けて必要となるボーリング調査を実施しただけなのです。どのタイミングで実施するかは自治体(今治市)や学校法人(加計学園)が決めることであり、報道ステーションが期待するスキャンダルはないと言えるでしょう。

 

4:「加計学園だけに開学時期が知らされていた」との噴飯物の陰謀論

 まず、国家戦略特区はコンペ方式で決まるものではありません。加計学園と京産大の申請はそれぞれ別枠で審査されるものです。

 また、特区として指定されるのは地方自治体です。つまり、今治市の申請案で獣医学部を新設する学校法人が京産大でも問題ないという制度なのです。

 “1校のみ” と制限した勢力がいるから、開学時期に焦点が当たったに過ぎません。教員を集めるための動きすらしていない京産大は報道ステーションが報じるような陰謀論とは無関係な場所にいたと言えるでしょう。

 

5:開学時期は「京産大外し」ではない

 報道ステーションは当事者である京産大が述べた発言を意図的に切り捨てていることは問題です。

画像:京産大による質疑応答

 「開学の時期は京産大外しではない」と質疑応答で明言していますし、「不透明な決定という感触もない」と回答しているからです。

画像:京産大による質疑応答

 質疑応答を放送したい内容に沿って切り貼りしていますし、当事者の声を正確に伝える気がないメディアであることを理解しておく必要があるはずです。