朝日新聞・牧野愛博記者、「アメリカ軍のB1B戦略爆撃機に核兵器を搭載できる」とデマを飛ばす

 朝日新聞の牧野愛博記者が『米爆撃機「死の白鳥」派遣、韓国が拒否』との記事を書いたのですが、その中にデマが含まれています。

 「戦略爆撃機 B-1B は核攻撃能力を持つ」と牧野記者は書いていますが、これが完全な誤りです。なぜなら、B-1B は “核兵器を搭載することができない” 戦略爆撃機だからです。

 

■ 朝日新聞・牧野愛博記者が報じた内容

 牧野記者が書いた記事の内容は以下のとおりです。

画像:朝日新聞・牧野記者が執筆した記事

 

 8月下旬に韓国各地で展開された米韓合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン」で、韓国側が、米国が提案した戦略爆撃機の派遣を断っていたことがわかった。北朝鮮の軍事挑発を受けて韓国は方針を変更したが、米国側には不信感が残ったという。

 (中略)

 B1B戦略爆撃機は、核攻撃などで大きな影響を与えられる戦略兵器の一つ。グアムの米軍基地から約2時間で朝鮮半島に飛来できる。搭載した爆弾の破壊力から「死の白鳥」とも呼ばれる。

 

■ 事実

 戦略爆撃機 B-1B は「かつては核攻撃能力を有していた」ものの、戦略核兵器削減条約の対象となり、「現在は核攻撃能力は有していない」という表現が的確です。

 したがって、牧野記者は古い認識に基づく記事を書いたことになります。B-1B の性能を調べれば、容易に確認できることであり、記者としての能力に大きな問題があると言えるでしょう。

 

1:アメリカ空軍の公式サイトで紹介済み

 B-1B の性能ですが、アメリカ空軍の公式サイトで核攻撃能力についての記述が存在します。

 The United States eliminated the nuclear mission for the B-1 in 1994. Even though the Air Force expended no further funding to maintain nuclear capabilities, the B-1 was still considered a heavy bomber equipped for nuclear armament until 2007. The conversion to conventional only began in November 2007 under the original START treaty and was completed in March 2011 under the New START treaty.

  • アメリカは1994年に B-1 の核ミッションを廃止
  • 空軍は維持費用を捻出していなかったが、2007年まで B-1 は核攻撃能力を持つと見られていた
  • 従来型の戦略爆撃機への転換は2007年11月より開始(戦略兵器削減条約)
  • 2011年3月に転換が完了(第二次戦略兵器削減条約)

 

2:知ってて記事を書いたなら、牧野記者は懲戒免職とすべき

 アメリカ空軍は「B-1B は2011年3月に従来型・戦略爆撃機への転換が完了した」と発表しているのです。これを知らない、または調べられないのであれば、新聞記者として致命的です。

 逆に、B-1B に核攻撃能力がないことを知っていたが、それを隠して誤解を招く記事を書いたのであれば、その姿勢は非常に悪質です。明らかな捏造報道を行ったのですから、懲戒処分の対象です。

 もちろん、記事の掲載を許可したデスク・編集長も同罪です。9月1日付の社説で「デマ」について厳しい姿勢を打ち出していましたが、まずは自分たちが出す記事の内容に対する厳格なチェックをするべきと言えるのではないでしょうか。