マツダスタジアムでカープファンが起こしている諸問題はカープを窮地に追い込む恐れがある

 広島カープがセ・リーグを2連覇し、黄金時代の到来を予感させています。

 ただ、その一方で「素行の悪い一部のファンが問題を起こしている」と『週刊ポスト』が報じています。球団は問題と現時点では向き合っていませんが、放置すると大きな問題となることは認識しておく必要はあるでしょう。

 

 本誌・週刊ポスト前々号で「ファンの観戦マナーの悪さ」や「チケットの買い占め問題」「対戦相手本拠地でもデカいツラをする」などを往年のファンたちが嘆いているという記事を掲載したところ、編集部には大きな反響が寄せられた。

 (中略)

 自由席に辿りつくと席の上に次々とウチワなどを置いて、何十席分も“確保”する。仲間のために取っていて、他の人が座ろうとすると“そこは予約済みじゃ!”と威嚇するのです。挙句、満員の自由席の一角だけガラガラの時もある。彼らのせいで、修学旅行生たちがコンコースで立ち見をしていたこともありました。横暴な一部のファンのせいで泣いているファンがいるのです

 

 素行の悪いファンはどの競技にも存在します。サッカーでは「フーリガン」が有名でしょう。“ファンであって、ファンでない” という迷惑な存在なのです。

 ただ、問題を起こす人物がスタジアムに入場できることはセキュリティー的にも好ましいことではありません。したがって、主催者側が(遅かれ早かれ)対処しなければならない問題と言えるでしょう。

 

1:東京ドームから自由席がなくなった理由

 広島カープが球団として思い出さなければならないのは「東京ドームから自由席がなくなった理由」です。

 昔は東京ドームにも「外野自由席」が存在しました。しかし、一部のファンが事前に細長く裁断したブルーシートを使って、自由席を横に占拠。「自分たち専用の予約席」として占有していたことが問題になったのです。

 これは人気球団で起きやすい問題です。特に、チケットが “プラチナチケット” と化していれば、不届きな輩ほど得をする結果となります。

 本物のファンになってくれる可能性がある新規顧客層を排除してしまうシステムは球団として早めに対策を講じる必要があると言えるでしょう。

 

2:球団が見て見ぬ振りをするなら、反社会勢力が跋扈する事態を招く

 ちなみに、巨人が『外野自由席』を『外野指定席』に切り替えた理由は「反社会勢力が『外野自由席』を我が物顔で占拠していたことが明らかになったから」です。

 早い者勝ちであれば、誰か1人が事前に占拠してしまえば十分です。「〇〇さんの席」のような形を周囲で確立することも有効でしょう。そうすると、“プラチナチケット” を使った「シノギ」ができてしまうのです。

 「追加で〇〇円払えば、あそこの席で見ても良い」というダフ屋行為が横行します。球団が見て見ぬ振りをするのですから、“ケツ持ち” は反社会勢力になるでしょう。

 そこまで問題が深刻化しているかは不明ですが、対策を講じず、球団がこのまま静観すれば反社会勢力の存在が浮かび上がるのは時間の問題です。

 

3:反社を取り巻く環境は当時よりも厳しくなっている

 「反社会勢力が球場内に蔓延っている」という状態にまで陥れば、大スキャンダルになります。反社を取り巻く環境が昔より厳しくなっていることを考慮すれば、当然のことと言えるでしょう。

 しかし、問題が大きくなる前に根本的な対策を講じることで、スキャンダル化を防ぐことができるのです。

 『週刊ポスト』が報じた問題がマツダスタジアムで起きているなら、対応に乗り出すべきでしょう。球団側が確認し、問題を起こすファンには警告や入場禁止の処分を科すべきなのです。

 手遅れになる前に対策を打つべきです。スポーツ以外の理由でチームが弱体化することは避けるべきと言えるのではないでしょうか。