NZ との親善試合は香川真司のような “当落線上の選手” を評価する上で大きな意味がある
6日に行われたニュージーランドとの親善試合に日本代表は 2-1 で勝利しました。
実力的にW杯本大会では対戦しないような相手との一戦だったのですが、これに対し、香川真司選手が試合後のコメントで「何の意味のある試合なのか」と不満を述べているとスポーツナビが報じています。
香川選手は自らの立場を把握していないのでしょう。なぜなら、10月の親善試合2試合は香川選手のような「W杯のメンバー入りが当落線上にある選手たちの選考」という意味があるからです。
香川真司はこの試合を「評価しづらいゲーム」と表現し、「ワールドカップ(W杯)を見据えるという意味では正直、こういうレベルはたぶんない」「W杯という意味では正直、何の意味のある試合なのか」とコメントした。
ツッコミどころとしては、「W杯のレベルにない」と切り捨てた選手が試合で存在感を発揮していない点でしょう。チームスポーツであるサッカーで、チームの一員として機能していない選手が王様のように振る舞う時点で “お荷物” になっているからです。
チームの骨格は固まっているべきですが、メンバーまで固定されていることはリスクが高すぎます。
良いパフォーマンスを所属チームで見せている選手は代表チームに招集し、代表監督をチームコンセプトを教え、実戦で起用する。そこで存在感を発揮すれば、代表チームの一員として立場が保証されるという道筋は常にオープンであるべきなのです。
1:親善試合は代表経験の少ない選手にとって極めて重要である
親善試合は代表経験の少ない選手にとって大事な試合です。「チームにフィットするか」を監督などに査定される数少ない実戦の場となる訳ですから、極めて重要な位置付けなのです。
ただ、その際に主力選手がほとんど不在では意味がありません。なぜなら、本番で一緒にプレーする選手と経験を積むことが重要であり、コンセプトを知るだけでは価値が薄れてしまうからです。
ニュージーランドとの親善試合は次のテーマがあったと言えるでしょう。
- 守備陣:体格で優る相手のパワープレーへの対処
- 攻撃陣:個の突破とコンビネーション
親善試合ではチームとしての結果より、個人のパフォーマンスに重点が置くことができるのです。そこで内容を残すことができるのかが問われていると言えるでしょう。
2:香川真司は “当落線上の選手”
サッカー日本代表ですが、2018 ロシアW杯のメンバー入りが確実視されている選手と当落線上にいる(と見られている)選手は下表のものでしょう。
メンバー入りは確実(負傷離脱の場合は除く) | |
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GK | 川島 永嗣 |
DF | 酒井 宏樹、酒井 高徳、長友 佑都、吉田 麻也 |
MF | 長谷部 誠、山口 蛍 |
FW | 大迫 勇也、岡崎 慎司、原口 元気 |
当落線上の選手 | |
GK | 中村 航輔、西川 周作、東口 順昭 |
CB | 植田 直通、昌子 源、槙野 智章、森重 真人 |
SB | 内田 篤人、車屋 紳太郎 |
MF | 井手口 陽介、遠藤 航、小林 祐希、香川 真司、本田 圭佑 |
WG | 浅野 拓磨、乾 貴士、久保 裕也 |
アジア最終予選で結果を残した10選手のメンバー入りは確実。所属クラブでも主力と位置付けられている彼らは負傷離脱という状況に陥らない限り、ロシアW杯のメンバーとなるでしょう。
W杯の登録枠は23ですが、GK が3枠ですので、残りは10選手ほどです。ポジションごとのバランスも考慮すると、競争が激化することは予想されますし、本田圭佑や香川真司の両選手は現時点では “当落線上の選手” です。
アジア最終予選で機能せず、格下相手の親善試合でも “違い” を見せつけられませんでした。「知名度が最も高く、10番を背負う自分がメンバーから外れることはない」とでも思っているのでしょう。
日本代表にはレバンドフスキもいませんし、オーバメヤンもいません。中央の DF を2人も引き連れてくれる強烈な FW がいないのですから、トップ下の選手にはそれほど自由は与えられないのです。
マークが厳しくない格下相手との試合で攻撃面での持ち味が発揮できなければ、本番で起用を想定するメンバーとして評価を高めたことにはならないでしょう。
10月の代表戦は11月に行われるベルギー代表やブラジル代表との試合に向けた選考会なのです。本田や香川といったパフォーマンスの悪い選手に大なたが振り下ろされても、驚きはありません。ハリルホジッチ監督がいつ彼らに見切りを付けるのかということだけなのです。
緊張感の欠如した選手は外しても良いと言えるのではないでしょうか。