朝日新聞・坪井ゆづる論説委員が「加戸証言も報じた」と主張するも、ファクトチェックであえなく撃沈

 8日に行われた日本記者クラブ主催の党首討論会で、安倍首相から「朝日新聞は八田(達夫・国家戦略特区諮問会議議員)氏や加戸(守行・前愛媛県知事)氏の報道をほとんどしていない」と批判された朝日新聞が大恥をかいています。

 坪井ゆづる論説委員が「している」と真っ向から反論したのですが、ファクトチェックをすると朝日新聞が嘘を付いていることが明確になったからです。

 

■ 朝日新聞の主張内容

 安倍首相から批判を受けた朝日新聞はネット上で次のように反論しました。

 八田氏の発言について、7月25日付の朝刊で獣医学部新設の決定プロセスを「一点の曇りもない」とした答弁や、「不公平な行政が正された」とする見解を掲載した。また、こうした国会での発言も含め、八田氏に単独取材した今年3月下旬以降に10回以上、八田氏の発言や内閣府のホームページで公表された見解などを掲載してきた。

 加戸氏については、閉会中審査が開かれた翌日の7月11日と25日付の朝刊で、国会でのやりとりの詳細を伝える記事で見出しを立てて報じたり、総合2面の「時時刻刻」の中で発言を引用したりしている。

 朝日新聞は「報じた」とアリバイを主張していますが、重要なのは「回数」ではなく、記事の「質」と「量」です。議事録に該当する “詳報” で触れていれば、「問題ない」との結論にはならないのです。

 

 

■ 事実

1:池上彰氏が朝日新聞のコラムで「朝日は加戸発言を取り上げていない」と明記

 朝日新聞の「きちんと報じている」との主張は池上彰氏が掲載しているコラムで崩れ去ります。7月28日に掲載された『新聞の責任 事実を刻む、歴史の証人』で以下の記述があるからです。

 この日の国会には、愛媛県への獣医学部誘致を進めてきた加戸守行・前知事も出席しました。読売新聞は、加戸氏の発言として、「特区が岩盤規制に穴を開け、ゆがめられた行政が正された」と評価していることを伝えています。

 ところが、この加戸発言を、朝日も毎日も本文の中で取り上げていません。詳報のページには、両紙とも加戸発言を丁寧に紹介し、読売よりも、むしろ分量は多いのです。それを読むと、加戸発言は、愛媛県に獣医学部を新設してほしいと地元は以前から要望していたという経緯が述べられています。

 これを読むと、加計学園の今治進出は、地元の悲願が実現したものという印象を受けます。今回の一連の出来事を、愛媛県側から見ることで、物事が立体的に見えてきます。

 朝日も毎日も、詳報で伝えているとはいえ、本文でもきちんと伝えるべきだったのではないでしょうか。

 「本文でも伝えるべきだった」と一刀両断されているのです。要するに、一般記事としては伝えず、議事録にあたる “詳報” の中で発言が記載されていたという状況なのです。

 これは「加戸発言を取り上げた」ということにはならないことを意味しています。

 

2:“報じた記事” があるなら、それを明記すれば安倍首相の鼻を明かすことができる

 朝日新聞は「紙面で10回以上取り上げた」と主張する記事をネットにアップしていますが、肝心の説得力がない状況です。

 もし、八田氏の発言や加戸発言に基づく記事を掲載していたなら、「安倍首相には〇月〇日の東京本社版〇面に掲載されている『XX』という記事に目を通していただきたい。弊紙(=朝日新聞)が八田氏や加戸氏の発言を一般記事として扱い、十分に報じていたことを理解していただけるはずだ」と書けるからです。

 ウェブ版では該当記事へのリンクを貼っておけば、十分な対応と言えるでしょう。しかし、安倍首相の鼻を明かすような内容になっていないのです。これほどの大失態はないと言えるでしょう。

 政府閣僚が述べたコメント中に出てきた『八田氏の発言』や『加戸発言』という言葉を小さな “ベタ記事” や “詳報” で取り上げただけでは「ほとんど報じていない」と主張した安倍首相の発言が説得力を持つ結果となるのです。

 

3:なぜ、『八田氏の発言』や『加戸発言』を隠すマスコミが存在するのか

 池上彰氏が「読売新聞は『特区が岩盤規制に穴を開け、ゆがめられた行政が正された』と加戸発言を報じている」と紹介する一方で、朝日新聞などは八田氏や加戸氏の発言をひた隠しにしています。

 なぜ、そのようなマスコミが存在するかというと、“お友達” や “忖度” という身勝手な理論で倒閣キャンペーンをしたマスコミの主張根拠が完全に失われるからです。『八田氏の発言』も『加戸発言』も、どちらも朝日新聞を始めとするメディアが主張を完全に覆すものです。

 野党やマスコミは「疑惑」を騒ぎましたが、「根拠となる証拠」は何一つ提示できていません。

 この状況で『八田氏の発言』や『加戸発言』に「質」や「量」を投じて報道することになれば、「モリカケ疑惑は野党とマスコミによる大冤罪」であることが明るみに出てしまうからです。つまり、自らの “でっち上げ” による責任から逃れるために騒ぎ続けているだけなのです。

 

 慰安婦報道でも、吉田調書報道でも、朝日新聞は嘘を付くことに何の抵抗もありませんでした。自分たちの主義・主張にあっていることが最優先で、事実は二の次未満なのでしょう。坪井ゆづる論説委員は発言は朝日新聞の DNA が如実に現れたものと言えるのではないでしょうか。