日本ハムは清宮幸太郎にとって理想的なチームだろう

 10月26日に行われたドラフト会議で、注目株の清宮幸太郎選手(早稲田実業)は7球団競合の末、日本ハムが交渉権を獲得しました。

 くじで敗れた球団にとっては残念な結果でしたが、選手にとっては理想的なチームが交渉権を得たと言えるでしょう。なぜなら、選手の成長に欠かせない出場機会を得られる可能性が高いチームは日本ハムだからです。

 

1:日本ハムはチームが過渡期に入った状態

 今季パ・リーグを5位で終えた日本ハムは「チームが再建期を迎えた」と言えるでしょう。日本のプロ野球界では再建期と割り切ることは稀ですが、メジャーリーグでは一般的です。

 日本ハムは球団経営にシビアであり、今季終了後にチームの骨格を入れ替えることは十分に想定できることです。

  • 大谷 翔平(DH):ポスティングによる移籍が濃厚
  • 中田 翔(一塁手):FA 権を取得

 打線の中軸としてチームを牽引してきた2選手がチームを離れる可能性が現実にあるのです。両選手が来季もそろって在籍しているとは想像しづらく、この点からもチームは再建モードに突入したと言えるでしょう。

 

 

2:打力を示せば、開幕戦スタメンも現実味

 再建モードに切り替えた日本ハムは清宮選手を『チームの顔』にするべく英才教育を施すことでしょう。

 このチャンスを活かせるかは選手次第です。チームは再建中ですので、若手選手を辛抱して起用することができるという “強み” が日本ハムにはあります。

 今季の DH と一塁手の主戦選手(大谷選手と中田選手)の去就は現時点で不透明です。一塁手である清宮選手にとっては朗報と言えるでしょう。

 打力を示せば、DH で出場機会を得ることができます。また、守備力が付けば、一塁手のレギュラーにも近くことでしょう。それだけ日本ハムにはチャンスがあるのです。

 

3:辛抱強く “期待の選手” を使い、チャンスを与える球団に入ったことは大きい

 日本ハムはドラフトで1位指名に成功した逸材を上手く成長させた実績があります。中田翔選手(2007年高卒1位)や大谷翔平選手(2012年1位)がその典型例でしょう。

 西川遥輝選手(2010年2位、1位は斎藤佑樹投手)もレギュラーとなっており、期待の高卒野手を球界屈指の選手にまで育てる実績は持っていると言えるはずです。

 また、巨人で伸び悩んでいた大田泰示選手をシーズンを通して起用し、戦力になり得ることを示しました。我慢して起用し続ける忍耐力を持った球団ですので、この点も清宮選手にとってプラスとなると思われます。

 注目度の高い選手をマスコミから守ることも上手いはずですから、落ち着いた環境を選手に提供できることでしょう。清宮選手がプロ野球選手としてどういったデビューを飾るのかに注目と言えるのではないでしょうか。