橋下徹氏の「大阪府内の維新票はほぼそのまま」発言は誤り

 総選挙の結果、自民党と公明党の与党連立政権が衆議院の議席率を守った一方、野党内ではゴタゴタが起きています。

 日本維新の会で法律顧問を務める橋下徹氏が「大阪府内の維新票はほぼそのまま」とツイートし、党勢衰退の理由は「維新の国会議員団だ」と主張しています。しかし、この主張には間違いが含まれています。

画像:橋下徹氏のツイートに対するファクトチェック

 

■ 橋下徹氏のツイート内容

 橋下徹氏は自らのツイッターで以下の投稿を行っています。

画像:橋下徹氏のツイート

 

 日本維新の会の選挙総括。大阪府以外の維新票は激減。大阪府内の維新票は維新国会議員団が大した活躍をしなくてもほぼそのまま。ゆえに日本維新の会の衰退の責任者は維新国会議員。大阪維新の会にとっては迷惑な話。

 では、大阪府内で『維新の会』が獲得した票の推移を確認することにしましょう。

 

■ 事実

 日本維新の会が本拠地を置く大阪で獲得した衆院選・比例区での得票率は下表のとおりです。

表1:総選挙・比例区での得票率
  大阪市内 大阪府内
維新 自民 維新 自民
2012年 35.3% 20.4% 35.9% 20.9%
2014年 33.2% 23.1% 32.4% 24.8%
2017年 27.8% 26.2% 26.9% 27.1%

 大阪市内、大阪府内ともに似た投票傾向にあることを読み取ることができます。『維新の会』が旗揚げされた2012年をピークにポイントは下落し、その分を自民党が挽回しているのです。

 比例区での得票率で 10% 弱も落としているのです。「維新票は大阪府内ではほぼそのまま」とは言えないことは明らかです。

 したがって、「大阪維新の会は国政における党勢低迷の原因ではない」と主張することは現状を正しく把握できていないことになります。現状では『大阪都構想』に再チャレンジしたとしても、再否決されることが現実味を帯びていると言えるのではないでしょうか。

 

【参考サイト】

 todo-ran.com 維新の会得票率(2012年2014年

 election-portal.com 2017年 大阪府 比例代表得票率

 twitter 2017年 大阪市内における比例得票率