田原総一朗氏、元日の番組で「北朝鮮は核を日本に打つとは言っていない」と嘘をつく

 BS 朝日で元日に放送された討論番組で、ジャーナリストの田原総一朗氏が「北朝鮮は核を日本に打つとは言っていない」と明らかに事実と異なる主張を展開しています。あまりに雑な主張と言えるでしょう。

画像:田原氏の発言に対するファクトチェック

 

■ 田原総一朗氏が主張した内容

 放送された番組内で田原氏は北朝鮮の核兵器問題に対し、「インドやパキスタンは保持しているのに、なぜ北朝鮮が保有することはダメなのか」と提起し、以下の議論が発生しました。


田原総一朗氏:なんで北朝鮮は核を持っちゃダメなの?
井沢元彦氏:「こっち(=日本)打つ」って言ってるから。「火の海にする」って言ってる。
田原氏:言ってない
出演者:「日本列島を水の中に沈める」って言いましたよ。事実として言った。


 田原氏は「北朝鮮の核は自衛のための核兵器」と主張したいのでしょう。しかし、その論理は根本的に間違っているのです。

 これはジャーナリストとしてあまりに致命的であると言わざるを得ません。

 

 

■ 事実

1:「核で日本列島を海中に沈める」と恫喝した北朝鮮

 まず、田原総一朗氏は2017年9月14日付の朝日新聞の記事を読み、そこに記述されている内容を理解しなければなりません。

 日本については「4つの列島でできた国は、主体(チュチェ)思想の核爆弾で海に沈めるべきだ。日本はもはや、わが国の近くに存在する必要がない」とした。

 主体思想は故金日成(キム・イルソン)主席が唱えた、北朝鮮で指針となっているイデオロギー。

 「北朝鮮の国営・朝鮮中央通信が報じた内容」として、朝日新聞が上記のように報じているのです。

 つまり、北朝鮮が「日本に核兵器を打つ」と言っている揺るぎない証拠が存在しているのです。この事実と真逆の主張をした田原氏はジャーナリスト失格と言えるでしょう。

 

2:“元ネタ” である労働新聞には日本に対する差別的な言動も含まれている

 朝日新聞が報じた内容は「労働新聞の論説」が元ネタで、それを朝鮮中央通信が掲載したというものです。「核で海に沈めるべき」と主張する前に、日本に対する差別的な言動も含まれているのです。

画像:朝鮮中央通信に掲載された労働新聞の論説

 「左派が問題視する “ヘイトスピーチ” に加え、核による恫喝もしている」ことが事実なのです。このような姿勢を打ち出す北朝鮮に理解を示す言動をすることは明らかに異様だと言えるでしょう。

 

 朝日新聞が報じた事実と真逆のことをテレビ朝日系列の討論番組で番組ホストが主張することはあまりに粗末すぎます。

 自浄作用があるのであれば、田原氏に引導を渡すべきでしょう。ただ、テレビ業界は高齢者向けの斜陽産業ですので、田原氏と一蓮托生を選択する自由はあります。

 自称・ジャーナリストの田原総一朗氏をどのように扱うのかによって、テレビ局のジャーナリズムをチェックされているという自覚を持つ必要があるのではないでしょうか。