立憲民主党など野党は「公益財団法人・日本相撲協会の不祥事」を通常国会で追求してはどうか

 日本相撲協会の評議会は「礼を失した」との理由で貴乃花親方を理事から解任しました。

 『公益財団法人』として税制面での優遇措置を受ける立場にありながら、暴力事件に対するコンプライアンスを守っていないことは問題と言えるでしょう。監督する立場である文部科学省のトップに今回の事件に対する相撲協会の対応の是非を問いただすべきです。

 

1:国会で “パフォーマンス” するなら、日本相撲協会内での不祥事に勝るネタはない

 安倍政権への攻め手に悩む野党にとって、“渡りに船” と言えるでしょう。日本相撲協会を監督する立場にあるのは文科省であり、そこで「法律よりも相撲協会のルールを優先させる」という問題行為が明るみに出たのです。

 「法律よりも優先される規則などない」と『立憲主義』を掲げる上での絶好機が訪れたのです。

 「特定の親方だけが報告義務違反の責任を負わされた理由は何か?」、「そうした判断を協会が下したが、監督省庁として容認するのか?」、「容認しないのであれば、なぜ是正を勧告したりしないのか?」などと攻め手は豊富にあります。

 勝負に出るなら、モリカケなどといった “疑惑” ではなく、こちらのネタにすべきでしょう。

 

2:池坊保子氏の証人喚問を要求すべきだ

 日本相撲協会の評議会で委員長を務める池坊保子氏ですが、政治家としての活動歴を有しています。

 1996年の第41回衆院選に新進党・比例近畿から出馬。その後、新党平和を経て、公明党に所属し、通算で5期衆議院議員を勤めて2012年に政界を引退しました。なお、2006年9月から2008年8月まで文部科学副大臣だった経歴を有しています。

 池坊氏は特例財団法人だった時代に文部科学副大臣を勤めていましたし、時津風部屋での力士暴行死事件が発生したのは2007年6月です。

 したがって、「相撲協会に隠蔽などない」と断言してしまった池坊氏は『公益財団法人・日本相撲協会』の評議会でトップを務める資質のない人物であり、安倍政権にとっての “アキレス腱” となる可能性が極めて高い人物なのです。

 世間がドン引きする答弁をすることは容易に想像できますので、「公的な立場にある人物」という理由で野党は証人喚問もしくは参考人招致をすべきと言えるでしょう。

 

3:「法令遵守」を叫び、『立憲主義』に基づく政党であることをアピールできる千載一遇のチャンス

 法律の存在を蔑ろにしている『公益財団法人』が存在しているのです。野党やマスコミがこの件で批判の声を上げることができなければ、存在価値はないも同然です。

 立憲民主党などの野党が率先して声をあげ、法律よりも組織の論理を優先しようとする団体の問題点を国会で追求してくれることでしょう。

 モリカケや民主党時代に始まったスパコンで疑惑を騒ぐより、刑事事件を揉み消すために奔走した『公益財団法人』の運営体制にメスを入れるべきなのです。野党にそれだけの気概があるかが注目点と言えるのではないでしょうか。