立憲民主党が「公務員叩き」に迎合して炎上、枝野代表の鎮火は失敗

 野党として存在感を高めたい立憲民主党ですが、公式ツイッターで「公務員叩き」に熱心な層に迎合しています。

画像:立憲民主党のツイート

 「公務員の人件費を削減する」との主張ですが、この政策は経済に悪影響を与えることでしょう。公務員の給与水準に準拠する民間企業が給与引き下げに動くための “呼び水” になりますし、教員のように現状でさえ割に合わない賃金体系がさらに割に合わなくなるからです。

 

 公務員の労働基本権を回復し、労働条件を交渉で決める仕組みを構築するとともに、職員団体などとの協議・合意を前提として、人件費削減を目指します。

 

 この立憲民主党の主張には複数の問題が含まれています。

  • 公務員には現状で「組合権」や「団体交渉権」は存在する
  • 公務員の人件費を削減すると、追従する民間企業が出る

 そもそも、「立憲民主党は何が言いたいのか」が意味不明です。党内で政策立案を担う責任者の能力にかなり問題があると言えるでしょう。

 

1:『日教組』や『自治労』という公務員を母体とする労働組合は存在する

 立憲民主党は「公務員の労働基本権を回復する」と主張していますが、「組合権」や「団体交渉権」はすでに保持しています。

 なぜなら、『日教組』や『自治労』という “労働組合” が政治活動を行っているからです。公務員で制約が存在するのは警察・消防・自衛隊などの「ストライキ権」ぐらいでしょう。それ以外は民間とほぼ同等と言えるはずです。

 公務員の待遇を改善するのであれば、『日教組』や『自治労』が「待遇改善」を要求すれば良いことです。

 しかし、「平和教育が重要」だの「安保法制は許さない」など本来の目的から逸脱した活動に注力しているのです。改善すべきは組合の価値観だと言えるでしょう。

 

2:「人件費の総量削減」で批判を浴び、代表が「一部の幹部の給与は高すぎる」と弁解

 立憲民主党は「公務員人件費の総量削減」を主張しましたが、大きな批判を受けました。非正規の問題や教員の過剰労働が浮き彫りになる中で「人件費の総量削減」を主張すれば、反発を招くことは当然です。

 この批判に対し、立憲民主党の枝野代表はツイッターで「幹部級の一部は納税者から理解が得られない水準」と弁解しています。

画像:枝野代表のツイート

 ただ、この弁解にも無理があります。公務員の給与全体を適正化すれば、総額は上がる可能性があるからです。

  • 過剰労働の教職員に適正額を支給:人件費増
  • 非正規職員を正規職員の給与水準を適用:人件費増
  • 一部の幹部の給与を引き下げる:人件費減

 クラブ顧問を担当している教職員の給与水準を適正化することは最優先課題でしょう。おそらく、この部分に “真っ当な報酬水準” を適用した時点で「公務員の人件費削減」を達成することは不可能になる可能性が高いのです。

 

3:立憲民主党は「生活保護の支給総額を削減する」と発表してはどうか

 立憲民主党のロジックは生活保護にも適用すべきです。公務員の給与も生活保護も原資は税金であり、“公務員叩き” だけに熱を入れることはダブルスタンダードと言えるでしょう。

 不正受給や一部の生活保護受給世帯は明らかに貰いすぎだからです。

 公務員は勤労による対価として給与を得ていますが、生活保護は違います。「働くことができない人の生活保護を削るのか」との批判が出るでしょうが、「相応の対価すら支払われていない公務員の人件費を削るなら、生活保護の総額を削るのは当然だ」と反論・追求されることになります。

 国政政党には「経済成長をさせるための政策」が求めらているのです。好調な経済環境を構築するための予算出費は理解される訳ですから、支出をカットすれば称賛が得られるということではないのです。

 「分配」だけではなく、「成長」が見込める現実的な政策を提示する必要があると言えるのではないでしょうか。