「教員の長時間労働是正」にどれだけ本気で取り組むかが『働き方改革』に対する野党の試金石となるだろう

 NHK によりますと、教員の長時間勤務に対して実効性のある取り組みを求めた署名が文科省に提出されたとのことです。

画像:教員の時間外労働に上限を求めた会見

 “ブラック部活” とメディアで取り上げられるほど、教員の長時間勤務は問題となっています。公務員も『働き方改革』の対象に含まれていなければならないですし、野党がどういった姿勢でこの問題に取り組むかは大きな注目点と言えるでしょう。

 

 教員の長時間勤務が問題となる中、過労死した教員の遺族などが文部科学省に対して、法律で教員の時間外労働に上限を設けるなど、より実効性ある取り組みを求めておよそ50万人分の署名を提出しました。

 (中略)

 教員の時間外労働については、「過労死ライン」とされる月80時間を超えるケースが6割に上ることが明らかになり、文部科学省の審議会は先月、教員の勤務時間に上限の目安を設けることを決めました。22日の申し入れは、国のこうした方針は評価しながらも、法律を整備するなど、より実効性を持たせるよう求めています。

 

 現状では “規制で守られているはずの公務員” である教員ですら、時間外労働に上限が存在しないのです。

 「目安を設ける」ことは一定の評価を下せるでしょう。しかし、申し入れの際に指摘されていたように「実効性が乏しい(=目安を無視することが可能)」状況が起きていることが問題だと言えるでしょう。

 

1:「教員の長時間労働問題」に取り組む姿勢が見えない日教組と野党

 内田良・名古屋大学准教授が “ブラック部活” に取り組んでいることで、教員の長時間労働労働をマスコミが報じるようになったと言えるでしょう。内田准教授は “組体操の危険性” を指摘した経緯もあり、学校関連の問題を扱っている人物です。

 学校内で発生している問題を世間に知らせ、リスクを軽減するための活動をしていることは評価されるべきだと言えるはずです。

 ただ、内田准教授が取り組んでいる問題は日教組なども対策に乗り出していなければならない問題です。

 しかし、教員が構成員となっている日教組は「教員の長時間労働を是正するための申し入れ」をしたことをメディアで取り上げられるでしょうか。また、日教組からの支援を受ける野党も “対策チーム” を作るなどの動きが鈍いことも特筆事項と言えるでしょう。

 

2:野党が『働き方改革』に本気であるかは今国会での対応から見えてくるだろう

 安倍政権は『働き方改革』を提唱していますが、野党が政権を上回るだけの政策を提示するかは今国会でも明らかになるはずです。

  • 質問通告を時間内に提出しているか
  • 「教員の長時間勤務」問題にどういった政策を提示するか

 民間企業の勤労体系に政府が口出しすることはあまり容易ではありません。しかし、公務員は行政がルールそのものを作る立場にある訳ですから、「どういった対策を講じるか」を有権者は見ているのです。

 「具体的で現実的な対策」を提示するのか、それとも「理想論」を掲げて “言いがかり” を付けているだけなのかを見極めようとしていることを忘れるべきではないでしょう。

 

 民進党の後継政党である立憲民主党や希望の党が「勤労者の長時間労働問題」をどのように捉えているかが如実に示される案件になると言えるのではないでしょうか。