新名神の高槻以西が全線開通、中国道の慢性的な渋滞が緩和されることは朗報

 新名神高速道路の神戸 JCT と高槻 JCT の区間が全線開通し、名神高速と山陽道が直結したと読売新聞が伝えています。

 距離にして40キロ強ですが、大きな影響が現れることになるでしょう。なぜなら、“渋滞の名所” である宝塚トンネルを通過する車両数の減少が期待できるからです。

 

 新名神高速道路の川西インターチェンジ(IC)ー神戸ジャンクション(JCT)間(16・9キロ)が18日、開通した。

 昨年12月には高槻JCT・ICー川西IC間(26・2キロ)が先行開業しており、高槻JCTで名神高速、神戸JCTで中国道、山陽道と結ばれた。

 (中略)

 中国道と名神を乗り継ぐ従来のルートでは、特に中国道の宝塚トンネル付近で、渋滞が常態化していたためだ。

 開通は当初の予定よりも遅れることとなりました。これは建設工事中に橋脚が落下し、作業員が亡くなるという事故が発生したことが理由です。

 交通渋滞が緩和されることが期待されるため、ゴールデンウィークを前に開通となったことは朗報と言えるでしょう。

 

1:関西屈指の “渋滞の名所”、宝塚トンネル

 首都圏の “渋滞名所” と言えば、東名高速の『大和トンネル』でしょう。近畿では『天王山トンネル』と『宝塚トンネル』がそれに該当します。

画像:新名神高速道路の開通区間(読売新聞より)

 渋滞の理由は「迂回路が存在しないこと」です。そのため、西から来た車両は「神戸 JCT から中国道に入り、吹田 JCT で京都・名古屋や大阪(奈良)・和歌山に分岐して向かう」という経路しか存在しなかったため、渋滞が発生しやすい状況となっていたのです。

 それが目的地ごとに分散化が図られることによる効果は大きいと言えるでしょう。

 

2:都市部と渋滞スポットを迂回できる新名神は渋滞緩和への『切り札』

 3月18日に開通した新名神高速の「神戸 JCT 〜高槻 JCT 区間」を利用することで、中国道の渋滞スポット『宝塚トンネル』を回避することが可能になりました。

 『宝塚トンネル』は国交省が発表している「渋滞ワーストランキング(PDF)」で上下線ともトップ10に顔を出すポイントです。大阪や和歌山が目的地ではない車両が『宝塚トンネル』や『吹田 JCT』という渋滞多発地点に流れ込まないだけでも渋滞は緩和されることになるでしょう。

 ちなみに、新名神は “もう1つの渋滞スポット” である名神高速の『天王山トンネル』を回避し、滋賀の草津 JCT に接続する新名神と直結するための工事が進行中です。こちらは2023年度の開通を目標としており、渋滞緩和による交通網の整備が期待されることとなります。

 

 GW やお盆の時期という交通渋滞が多発する時期にどれだけ渋滞が緩和される効果があるのかに注目と言えるのではないでしょうか。