大阪大学・牟田教授、科研費流用疑惑に反論するも反論になっておらず

 科研費を「私的な政治的目的などのために流用した」との疑惑が指摘された大阪大学の牟田教授が反論をネット上で公開しています。

 しかし、疑惑に対する反論ができておらず、牟田教授の主張に納得することはできないでしょう。「説明しなければならない点を説明できていない」からです。

 

スマホ未対応のサイトなのに、「業者と詳細な打ち合わせを繰り返した」とは片腹痛い

 牟田教授らのグループは動画作成に100万円、サイト構築に95万円を使ったことで批判を招きました。それに対し、次のように反論しています。

 製作費については、チュートリアルビデオ・サイトのいずれについても、私たちは、コンセプト、わかりやすさ、使い勝手、将来的なことも含めた管理のしやすさなど、種々の面でそれぞれの業者さんからアドバイスをいただき詳細な打ち合わせを繰り返して制作にいたっています。

 さすがに、この言い訳は苦しいものです。

 牟田教授らが作成した movie-tutorial.info のソースコードを確認すると、<title> タグがブランクとなっています。 かなり雑な仕事をする “業者” に仕事を依頼したのでしょう。また、スマホからのアクセスには対応していません

画像:スマホの対応状況

 スマホ対応済の『WAN (Women's Action Network)』でサイト担当の理事を務めるような研究者が作成したサイトがスマホ未対応である現状を棚にあげ、「種々の面でそれぞれの業者からのアドバイスを受け、詳細な打ち合わせをした上で制作に至った」とは奇妙な主張と言わざるを得ません。

 該当のウェブサイトはそもそも休眠状態でした。そのため、開発経緯を含め、より具体的な説明が必要と言えるでしょう。

 

「国民の税金である科研費を個人の政治活動に流用していること」が炎上の発端

 牟田教授は「科研費の私的流用疑惑」が炎上した原因を理解できていない可能性があります。

 ジェンダー平等をめざして研究する研究者が、市民として活動(WANに限らず)も行い、さらにそこから研究を発展させていく往還は、何ら問題ないどころか、現代の研究者としてむしろ望まれることではないでしょうか。

 反論の中で上記のように主張していますが、牟田教授がフェミニズム活動を行うことは自由です。また、その活動を研究に活かすことも『学問の自由』から認められるべきでしょう。

 ですが、個人的な価値観に基づく政治活動に科研費が使われることが大きな問題なのです。これが牟田教授らの研究が炎上した最大の理由です。牟田教授らのポケットマネーや支援者からの寄付でチュートリアルサイトの作成などを行っていたのであれば、世間の大多数は気にも留めなかったでしょう。

 “フェミニズム” を掲げ、政治活動に積極的に関与するから批判を招き、炎上するということを理解しなければなりません。

 

牟田教授らは科研費私的流用の確信犯

 また、牟田教授らの研究グループは反論の最後に次のような報告をしています。この一文から「確信犯的に科研費を私的流用している」と言えるでしょう。

 同じく本研究課題の成果の一環として、「慰安婦問題は#MeTooだ!」と題したショートムービーを製作中です。

 まず、牟田教授らの研究が始まった2014年度に Me Too 運動は存在しません。この時点でデタラメな研究なのです。

 また、慰安婦だった主張する韓国人女性が「慰安婦問題は#MeTooだ!」と主張している訳ではないのです。これは牟田教授らの研究グループがそう主張しているだけであり、政治活動に過ぎません。

 このような行為を平然と行う研究者に科研費が注ぎ込まれている実態が明るみに出たから、(ネットを中心に)大炎上となったのです。『学問の自由』とは「研究内容を制限されない」という意味であり、「科研費を自由に使って良い」という意味ではないことを牟田教授らは肝に銘じなければなりません。

 

 牟田教授らの研究グループは「サイト構築・運営費に過剰な科研費をつぎ込んだ」との批判に対し、論理的な反論をすることはできていません。また、「政治活動に科研費を使う」との趣旨の予告を行い、火に油を注ぐ有様です。

 やはり、研究成果に線引きのできない文系分野への科研費の配分比率は大きく見直した上で、科研費の使途については政治家の収支報告書と同じ形で明確にするよう改善する必要があると言えるのではないでしょうか。