政府が国境離島の私有地調査を実施し、安保対策に本腰を入れることは評価されるべき

 読売新聞によりますと、政府が領海や排他的経済水域の基点となる国境離島の私有地に関する調査を実施する予定であるとのことです。

 「初めての実態調査」という点は「遅い」と感じる部分です。ただ、これまでの政権が国家の安全保障に必要な調査を実施していなかった訳ですから、国民の生命・財産を守るために必要な措置を実施する安倍政権は評価されるべきと言えるでしょう。

 

 政府は今年度、日本の領海や排他的経済水域(EEZ)の基点となる国境離島の私有地に関する初の実態調査を実施する。

 (中略)

 調査対象は、全国に525島ある国境離島のうち私有地がある98島。内閣府が今夏までに有識者会議を設置し、「保全上重要な土地」の定義を決める。具体的には、海岸沿いの陸地のほか、水源地や空港・港湾、発電施設などの周辺地が対象となる見込みだ。この定義に当てはまる私有地を優先的に調査し、不動産登記の情報から所有者や取得原因などを把握する。

 日本は四方を海に囲まれた国であるため、国境離島は極めて重要です。

 これは「領海や排他的経済水域(EEZ)が陸地を基点に定められる」からです。そのため、陸地である国境離島が乗っ取られる事態を招くと、海洋資源を大きく失うという損害を被ることになるためです。

 

実態調査を行い、必要であれば速やかに対応策も講じるべき

 今後の方向性として、政府は『保全上重要な土地』を定める予定とのことです。

 これは「国境離島で外国勢力や同調者が好き勝手していないか」を確認するための定義を決めるためのものでしょう。海岸沿いや生活に必要な施設、日本の安全保障を維持するために支障が生じていないかをチェックする必要があるからです。

 現状では『国境離島』が調査の優先対象となっていますが、その後は『国境離島へのアクセス地点』も対象にする必要があります。

 『国境離島』で万が一の事態が起きた際は “支援” を実施する必要があります。その際に妨害行為を働かれると損害が大きくなるため、この点への対策も構築しておく必要があると言えるでしょう。

 

必要な予算を確保できなければ、離島防衛は困難である

 日本の領土・領海・排他的経済水域は以下のとおりです。

画像:日本の領海・排他的経済水域(読売新聞より)

 海洋国であるため、領土や領海を守ることは重要です。ただ、そのための予算は必ずしも十分とは言えない現状があります。

 社会保障に多くの予算が費やされ、安全保障分野は軽視されていると言えるでしょう。国民の意識が安全保障に向けば、予算増の流れは生まれると考えられますが、マスコミの反対キャンペーンで頓挫することになってしまう可能性の方が高いと予想できます。

 中国の軍事費が膨張する現状を踏まえると、最低でも「現在の予算額が適正であるか」を見直す必要があるはずです。

 中国の軍事力に日米で対抗できる防衛予算が確保されていれば、当面は問題ないと言えるでしょう。こうした正面からの議論ができなければ、必ず問題が生じることになるのです。

 

 “表に出してはならない日報” を引き出し、国会で騒ぐ暇があるなら、『自衛隊版・軍法会議』の必要性を議論し、体制構築に向けた動きを活発化させるべきです。

 PKO や復興支援で海外に派兵されても、現地が突如として戦場になる可能性もあるのです。その際、『軍法会議』がなければ、平時の刑法・民法で自衛隊員が訴追されるような事態を招く恐れがあるのです。

 政治にとって都合の良い解釈で、現場の自衛隊にツケを押し付けてきた現状がある訳ですから、そのような不都合な点についても速やかに是正する必要があると言えるのではないでしょうか。