民主党政権の置き土産である「外国人が日本の医療保険制度で安く治療可能」の実態が是正に向かう動きは大歓迎

 「自民党のプロジェクトチームが日本国内での医療費未払いを起こした外国人の日本再入国を拒否するよう提言をまとめた」と毎日新聞が報じています。

 この提言は全会一致で可決させるべきものと言えるでしょう。なぜなら、“医療サービスに対する正当な対価を支払わなかった不届き者” の日本再入国が拒否されるという至極真っ当な提案内容だからです。

 

 外国人観光客が医療費を支払わずに出国するケースが相次いでいるとして、自民党のプロジェクトチーム(萩生田光一座長)は27日、医療費の未払いを繰り返す恐れのある外国人に対し、入国を拒否することなどを柱とした政府への提言をまとめた。

 (中略)

 提言では、ウェブサイトで外国人が民間の医療保険に加入するよう勧めるとともに、カード決済できる医療機関を整備するよう要請。未払いのまま出国した外国人の情報を医療機関から収集し、再び来日した場合には入国管理法に基づき入国を拒否することを求めた。英国では既に同様の制度を実施しているという。

 医療費が未払いの状態で出国したにも関わらず、再び再入国が認められていることは問題と言えるでしょう。

 外国人にだけ「医療費の踏み倒し」が許されるのでしょうか。「踏み倒し」が発生した時点で、医療従事者が損害を被っているのです。この問題を “目こぼし” する理由はどこにもないと言えるはずです。

 

性善説に基づく形で誰でも医療サービスを提供するには限界がある

 日本の医療サービスは『性善説』に基づく形で提供されていると言えるでしょう。この方針は素晴らしいものですが、限界に達しつつあることも事実であり、否定できません。

 現状では「少子高齢化の影響で予算に占める医療費の割合が高く、これ以上の無駄使いは容認できない」のです。

 ところが、「日本の健康医療保険制度を外国人が悪用できてしまう」という問題が浮き彫りとなりました。与野党に関係なく、取り組み結果を出す必要のあるテーマなのです。

 

朝日新聞が過去に “美談” として報じた記事の罪深さ

 朝日新聞は過去に「旅行保険に加入せず来日し、緊急手術を受けたタイ人女性」のケースを “美談” として報じたことがあります。その際、以下の問題点を完全に無視していたのです。

  1. 旅行保険に入っておらず、多額の医療費を請求された
  2. 結果的に患者本人が支払わずに済んだ(=美談)
  3. 「なら、私も大丈夫」と保険に加入せず日本旅行をする外国人が増加
    → 病院が代金を回収できず、日本の医療保険にしわ寄せが起きる

 保険に加入をしなれば、全額実費になることは当然です。医療費は額が大きくなるため、旅行の際に保険に加入しておくことが極めて重要と言えるでしょう。

 ただ、旅行保険に加入するかは旅行者の決断次第であることを忘れてはなりません。啓蒙活動は万全の対応策にはならないという現実を認識しておく必要があるのです。

 また、「外国人旅行者による医療費の踏み倒し」には厳しい姿勢で臨む必要もあります。踏み倒された分の “しわ寄せ” は日本で生活する日本人に降りかかる訳ですから、外国人の病気をタダで治療することはモラルハザードを引き起こす原因になるからです。

 

「外国人による健康保険制度の悪用」についても対策を講じるべき

 NHK でも取り上げていることですが、外国人が保険制度を悪用する形で本来支払うべき医療費を払っていないことが指摘されているのです。

 民主党政権時代に外国人も日本の健康保険制度を利用することに門戸が開かれました。『扶養』、『留学』、『仕事』の目的で来日すれば、健康保険制度が使えるようになったのです。

 これにより、『医療を受ける』との本来の目的を隠し、表向きは『扶養』、『留学』、『仕事』を理由に来日することで日本の医療制度にタダ乗りできるようになったのです。しかも、高額療養費制度も使える訳ですから、とんでもない “置き土産” をしてくれたと言えるでしょう。

 この問題に対する解決策は次のように制度を改めることです。

  1. 『扶養』、『留学』、『仕事』の目的で来日した人物は『健康保険制度』への加入資格を有する
  2. 『健康保険制度』への加入申請は直近6ヶ月を日本で過ごし、かつ通算2年以上を日本で過ごした人物に限定する

 要するに、「医療ツーリズム目的で来日した外国人は日本の健康保険制度を使えない」という形に運用制度を改めれば良いのです。

 このような変更が行われても、医療ビザを使って来日し、日本国内の医療サービスを受けようとする外国人が不利益を被ることはありません。『健康保険制度』を悪用しようとする “一部の不届き者” だけが損害を受けるだけですから、批判が起きることもないでしょう。

 

 自民党のプロジェクトチームが提案した「外国人による医療費踏み倒し問題」に加え、「医療保険制度のタダ乗り問題」についても国会で速やかに対策を法制化する必要があると言えるのではないでしょうか。