富川悠太氏、報道ステーションで「森友で8億円の値引きが行われた理由が分からない」と無知をさらけ出す

 報道ステーションのキャスターを務める富川悠太氏が6月4日放送された番組内で「森友問題で8億円の値引きが行われたのかが分かっていない」との発言をしています。大阪地検特捜部などが説明した内容を理解できおらず、問題発言を流す番組内容は極めて重大な問題と言えるでしょう。

 

■ 富川悠太氏の発言

 富川氏は「森友文書の改ざん問題」を扱った6月4日の番組で以下の発言を行いました。

  • 森友問題では8億円の値引きがなんで行われたかが分かっていない
  • 昭恵夫人の写真を学園側が見せた時の交渉記録がなぜないのかといった疑問が数々残っている
  • これで幕引きとしては絶対にいけない

 原稿を読まされているなら、同情の余地はあるでしょう。なぜなら、公開済みの資料に書かれた内容を理解する読解力がないことを示してしまっているからです。

 

■ 事実

1:大阪地検特捜部が説明済み

 「8億円の値引き理由」は大阪地検特捜部が説明済みです。ニュースを見ない視聴者が理解していないことは止むを得ないことですが、ニュース番組のキャスターの発言としては致命的です。

  1. 森友学園が定期借地権を使って借りている土地からゴミが出る
  2. 貸主(=大阪航空局)はゴミ撤去費用を予算化できず
  3. 瑕疵担保責任免責特約で学園に土地を売却
  4. 大阪地検は「3は合理的」と5月31日に記者団にコメント

 メディア関係者なら、上記の説明で十分でしょう。また、ネットで森友問題の事実関係をチェックした人も同様であると考えられます。

 

2:「ゴミ撤去費用は最低9億8000万円」との見積もりが出ていた

 大阪地検特捜部は「ゴミ撤去費用の試算は合理的だった」と認めています。そして、その額は少なくとも約9億8000万円だったと産経新聞が報じているのです。

 関係者によると、業者は以前、実際の工事結果などからごみの撤去費を約9億6100万円と試算。これを、調査ポイントのサンプル数を増やすなどして精査したところ、国有地の地中に埋まったごみの量は地下3メートルまでで約1万7千立方メートル、撤去費は少なくとも約9億8千万円になった。この試算は特捜部に提出。基となったデータや計算方法などから、特捜部はこの試算が合理的だとの認識を示したという。

 整理すると以下のようになります。

  1. 業者は過去の実績から撤去費は「9億6100万円」と試算
  2. 業者が調査サンプル数を増やして精査したところ、「少なくとも9億8000万円」に撤去費を修正
  3. 特捜部は2の試算を合理的と認識

 「ゴミの撤去を行うと約10億円の費用がかかると見積もられた」ため、「8億円を値引きし、売主側の瑕疵担保責任を問えない条件を付けて森友学園に売却した」のです。これが8億円の値引きがされた理由です。

 理解できないのであれば、あまりに無知だと言えるでしょう。

 

 テレビ朝日などが「幕引きしてはならない」と叫ぶ理由は「自分たちの主張が間違いだった」と視聴者に認識される恐れがあるからです。

 当初は「安倍首相が便宜を図った」と大スキャンダルを追求していましたが、今では「詐欺で逮捕された人物が(安倍首相夫妻の)名前を勝手に使っていたこと」を問題視し、政権批判を行う有様です。明らかに批判の対象が間違っていると言えるでしょう。

 的外れな政権批判をする暇があるなら、自社の女性記者に対する上司からのパワハラ・セクハラ問題に対する処分を速やかに公表すべきです。やるべき順序を間違えたメディアの主張など誰も聞く耳を持たないという自覚をする必要があると言えるのではないでしょうか。